えべっさん だいこくさん

ゑべっさんが不景気を笑い飛ばし、大黒さんが不況風を祓う、と願掛ける

年末年始のニュース番組を見る度に、不況だ、不景気だと、まくし立てている。
暗い話題が流れ、問題の指摘はあるが、対策が伝わってこない。
如何なものだろうか。

全てが国の責任だと大声で叫ばれているが、国とは誰のことなのだろか。
捉えどころのない相手、国とは政治家かなのか官僚なのか。
罪深き者を仮想の敵として論じるのは楽であるが、本当の責任は、国民一人一人にあるのであって、国民そのものが国そのものであることが語られていない。

雇用問題も、景気問題も、国家の存亡も、他人事ではないのである。
弱肉強食の戦場と化する前に、打つ先手を見出さなければならない。
しかし、その答えをニュースキャスターも話してはいない。
やはり、自らが為せることを全て為し、神頼みしかないのだろうか。

大晦日から元旦にかけての除夜、二年詣りをしてみたが、小生は道真公の啓示を得ることが出来かった。 だが、諦めるつもりはない。

新年御用始の日、鏡餅の横に七福神の乗り合わせた宝船が飾られていた。
七福神は、室町時代末期より福をもたらすと信仰されている七柱の神である。
七柱とは、恵比寿天、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋である。
どの神の顔もふくよかで上機嫌で、不景気などどこ吹く風の様子である。

元々はというと、大黒天、毘沙門天、弁財天はインドのヒンズー教の神々で、福禄寿、寿老人は中国の道教の神々、布袋は唐の時代の仏僧で、恵比寿天が日本の土着信仰の神であるという。
また、大黒天はヒンズー教の破壊と創造を司るシヴァ神と日本神話のオオクニヌシ(大国主命)との習合により生まれた民間信仰の神と聞く。

「だいこくさん」と親しみを込め呼ばれる大黒天は、神話にある天の象徴アマテラス(天照大神)に対する、大地を象徴するオオクニヌシ(大国主命)で、国造りの神として、食物・医療・財福を司る福の神とされている。
米俵の上に立ち、右手に打ち出の小槌を掲げ、左手に袋を背負う姿の像をよく見かけられるであろう。因幡の白兎の神話にも登場するのが「だいこくさん」である。

その「だいこくさん」と並び、小生にも親しみ深いのが、恵比寿天こと「ゑべっさん」だ。「ゑべっさん」の姿は長い竿に釣りあげた鯛を抱えているので、誰にも直ぐに判るだろう。「だいこくさん」と「ゑべっさん」は親子であるとも謂われ、芽出度きことこの上ない一家である。

その「ゑべっさん」の縁日が「十日ゑびす」である。
恵比寿天の縁日である「初ゑびす」には、各地の恵比寿神を祀る神社で、多くの崇敬者が縁起物の吉兆笹や熊手などを求めて夜通し賑わう。
この縁日に、京都の商人は挙って京都ゑびす神社に参る。これは古くからの習わしである。

八日の招福祭には湯立て神事、餅つき神事が行われ、九日は宵ゑびす、十日のゑびす大祭、十一日残り福祭、十二日徹福祭と五日間に亘り祭典が執り行われている。
宵ゑびすまでの二日間は時代衣装を身に着け、松竹梅と紅白で飾られた「宝恵かご」の社参がある。また、残り福祭では祇園町や宮川町の舞妓さんから吉兆笹の授与があり、これを受けた人が翌日の徹福祭に出向くと、八日の餅つき神事でつかれた福餅が授与される。

ゑびす囃子は、「商売繁昌、笹もってこい!」であるが、「ゑべっさん」は耳が遠いので、大きく元気な声で囃さないと、商売繁昌・家運隆昌の願いは到底届かないようである。
そのためか、神社本殿の裏側にはドラが用意されている。正面参拝だけでなく、裏にまわりドラを叩いて祈願しなくてはならない。

空元気であろうが、照れずに大きな声で、明るく、願意を発するのが肝要である。

京都ゑびす神社に詣でたなら、今年は八坂神社へと梯子したほうが良さそうだ。
境内には、平安時代から祀られているという摂社「北向蛭子社」があり、ここより分祀されたのが大阪の今宮戎神社とのことである。

新春恒例となってきた「三社詣」は、初蛭子(はつえびす)にあわせた九日、十日に執り行なわれ、八坂さんの境内の御本社、祖神・素戔嗚尊(おやがみ・すさのおのみこと)、祖神六世の孫神大国主社の大国主命、その御子神である蛭子社の事代主命(ことしろぬしのみこと)を参拝するものである。

そして、粟田神社の摂社出世恵比寿神社での「出世えびす祭」に参詣すれば、ゑべっさんの功徳が期待できることになると、小生は思っている。

不況風という現代の疫病を祓うには、「えべっさん」に「だいこくさん」、そして祖神、牛頭天王(素戔嗚尊)にすがるのが、最後の切り札であることを先人に習うことにしたい。

都七福神まいり
http://miyako7.jp/

十日ゑびす (京都ゑびす神社)
http://www.kyoto-ebisu.jp/

祇園のえべっさん (八坂神社)
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/schedule/10.html

出世えびす祭 (粟田神社)
http://www.awatajinja.jp/