最後の紅葉あれこれ

紅葉名所の周辺を狙え

京都の秋の観光で用意されているものはと問われれば、定期観光バスのコースを見るが良いと答える。確かに解り良く練られている。
まず、金閣寺・銀閣寺・清水寺が、三年坂散策が組まれると高台寺が入る。
次に、大覚寺・天龍寺・仁和寺・龍安寺となり、嵐山散策がお決まりのメニューだ。
東山に目を向けると、南禅寺・青連院を核に、石塀小路の散策もある。
散策では哲学の道を歩いて永観堂が組まれている。

この他、秋の期間限定コースとして提供されているものには、醍醐寺・神護寺・西明寺・祗王寺の名前が目に入る。また、特別参観と銘打って、東寺・京都御所・大徳寺・泉涌寺などにスポットライトが当てられている。
これらに東映映画村・二条城が加えられ、洛中のお寺を中心にした京都観光の看板となっている。

洛外では、宇治万福寺・三室戸寺・山科勧修寺・鞍馬寺・大原三千院・寂光院などの名所の他に、俄かに「西山讃歌」と題したコースも生まれている。そして、それらはいずれもほぼ満席なのである。

穴場であった西山方面も京都人のための拠り所ではなくなったのだ。
花の寺の「勝持寺」も、松の寺の「善峯寺」も、六歌仙(ろっかせん)の業平(ありひら)が住まいした「なりひら寺」こと「十輪寺」も、「正法寺」さえも、安らぎの寺院から変貌をしだしている。
喜ばしいことでもあるが、少々複雑な気持ちだ。

「沈黙が金なり」と思いつつ、12月の声を聞く今週に、どこへ足を向ければ良いか、これを記すのも因果なものである。
そこで、隠れた名所というよりも、意外な穴場の発想を提供することで、勘弁願うことする。
そのキーは「紅葉名所の周辺を狙え」である。
名所周辺なので道路混雑は少々我慢いただき、道路地図片手に別ルートを探していただきたい。
このキーワードは、結構言い当てた答えを導いているから憎いものである。

例えば、紅葉の名所東福寺で考えると、伏見稲荷大社。お寺なら「泉涌寺(せんにゅうじ)」である。意外に空いていて駐車場も無料である。初心者と笑わないでいただきたい。

では、嵐山から清滝方面で、愛宕(おたぎ)念仏寺(愛宕寺)はいかがか。
嵯峨野散策の化野念仏寺ではない。
五百羅漢さんが、表情も豊かに1200体もある愛宕寺(おたぎじ)である。
化野念仏寺の先を10分程行き、鳥居を潜ったところだ。拝観料などはいらない。

更に同様に考え、大原三千院方面を探ってみると、大原の更に先、バス停でいうと3つ目の停留所が古知谷(こちだに)である。
急な山道をあがると、そこが、開祖のミイラが安置されている阿弥陀寺である。
それと、今年から公開の「瑠璃光院」も覗かれることをお勧めする。
比叡山ロープウェーの駅を超えて右に進むと、三条実美の別荘跡で、料亭だったところが寺院に生まれ変わったという珍しいところだ。

更に更に、南禅寺周辺なら、蹴上からインクラインのトンネルを抜けて、進路を右に取ると日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)である。別名「京都のお伊勢さん」と呼ばれている。 身も心も厳かに山に抱かれるような静かな場所である。

最後に、小生は「岩倉実相院の床もみじ」に決めた。
有難いことに、日曜日でも20台の無料駐車場が、待ちくたびれずに止められたと聞いた。
今週の紅葉狩は、クォリティと粋を優先してスタートすることにしたい。

伏見稲荷大社
http://www.inari.jp/
御寺泉涌寺
http://www.mitera.org/
愛宕念仏寺 (嵯峨野めぐりの始発点)
http://www.otagiji.org/
阿弥陀寺 (京都の日本建築)
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/orion/jap/hstj/sakyo/amidaji.html
瑠璃光院
http://www.komyoji.com/ruri/index.html
日向大神宮
http://www12.plala.or.jp/himukai/
岩倉実相院
http://www.jissoin.com/