師走の京都

事始めの日に京料理と大福梅

例年、師走の事始めの13日と14日の両日「京料理展示大会」が、左京区岡崎の京都市勧業館(みやこめっせ)で開催されている。
この京料理展は明治19年の第1回から数えて今年で101回目を迎える。
有名料亭の料理が一同に会する光景は滅多にお目にかかれない。
ましてや、料理人の技を決して公にしなかったという明治初期には、尚更のことであったことは容易に想像できる。
さぞ画期的なことであっただろうし、京都活性化への意気込みが伝わってくる。

主催するのは「京都料理組合」であるが、この組合の発足は江戸延亭2年(1745年)に組織された「魚鳥講」に始まると聞き及ぶ。
今風に言えば、魚や鳥などの生ものを扱う仲間のきずなを強める、互助組織のコミュニティである。そして、明治維新後「三店(さんたな)講」と改名されたと聞く。

そもそも三店とは、南禅寺に出家した亀山法皇(1249~1305)の命により、日本で最初に開かれた三つの市場で、錦の店(にしきのたな/中京区錦通)、上の店(かみのたな/上京区椹木町通)、下の店(しものたな/下京区魚ノ棚通)を指す。古くより京都の台所を支えてきたところだ。

この講の由縁は、黒谷さん(金戒光明寺)の寺内に建立されている、京都魚鳥商地蔵尊の碑文に刻まれている。
その誇り高い組合員には、「京料理」の老舗料亭101軒が名を連ねている。

この展示大会に出向けば、厳選された旬の素材の選び方や、こまやかな技の奥深さ、その盛り付けの粋や器の生かし方など、京料理の持つ様々な魅力が、目のあたりにして見比べることができる絶好の機会である。
貴方好みの料亭を、貴方の目で確かめることができ、来年の料亭巡りの予定も立てられるというものだ。

そして、事始めの今日より授与される縁起物「大福梅」を手に入れよう。
京の誰もが知っている北野天満宮の「大福梅」である。
この梅は北野さんの梅苑で採れたもので、数に限りがあり、神官や巫女さんの手で作られたものである。カラカラに干しあがった梅の実は元旦の朝の茶の中に入れて飲み干すのが習わしである。
ご利益は向かう一年の無病息災だ。

謂れは、天暦5(951)年に京の都に大層疫病が流行し、時の村上天皇までも病に伏された。
この時、天皇が召されたのは、カラカラに萎んだ梅の実を白湯にいれたお茶であった。見事に平癒されたことから、これを王服(おおふく)と称して、毎年元旦の朝に飲まれるようになったのである。
これにあやかるべく、北野さんでは干し梅を裏白とともに奉書に包んで授与している。

授与される大福梅となる北野さんの梅の実採取は、6月上旬に1週間かけて行われる。
梅苑には2000本の梅の木があり、毎年3tもの収穫があり、収穫されたその実は樽に塩漬けされ、夏には境内全域で土用干しされる。再び塩をまぶして、樽には11月下旬まで貯蔵されて、事始めの13日から縁起物「大福梅」としてお目見えするのである。

北野さんに足を運べば、そろそろ早咲きの梅が蕾を膨らませているだろう。
そして正月明けには、春を告げる香りが、境内一円を包むであろう。
その蕾にも今逢えるというものだ。

金戒光明寺
http://www.kurodani.jp/
おいしおっせ京料理 (芽生会倶楽部)
http://www.joy.ne.jp/kyoto/
京都料理組合
http://www.kyo-ryori.com/category_index.html
北野天満宮・大福梅の授与
http://www.kitanotenmangu.or.jp/ume/info.html#003