京都宗教音楽・声明

邦楽・日本音楽の源流は声明である

声明と書いて、「しょうみょう」と読む。
本来寺院の奥にて法会の際に行われる荘厳な読経(どきょう)の方法であり、仏教の経文を歌誦することを指した言葉で、別名梵唄(ぼんばい)とも呼ばれる。
近年、西洋の宗教音楽に対する仏教の古典声楽との解釈がされている。

2005年5月に天納久和・実光院住職が急逝された。天台声明の中心的後継者として活躍されていた。その追悼会が2005年10月13日実光院(京都市左京区大原)で執り行われる。同日はチェコで共演されたプラハ・グレゴリオ聖歌隊や共感した僧侶も加わり、仏前では声明と聖歌の融合の中、追悼鎮魂のハーモニーが響くことになりそうだ。

声明は古代インドにて経文に曲節を付けて歌ったことに起源していると言う。

バラモン教時代は経文を歌誦するのが僧職の専業となり発達し、その法が仏教に伝えられ、中国では三世紀頃に声明が到来し、曲節に変化を加え歌誦されるようになった。その中国の声明が、真言宗の開祖である弘法大師により伝えられ、846年全国の国分寺を通じ声明の法は全国的に行われる様になった。これが「真言声明」である。

そして、848年中国五台山において「天台声明」を学んだ円仁が帰国し、比叡山を中心に「天台声明」の基を築いた。後年恵心僧都(源信)は大衆に仏教を広めるために、経典を平易な和文に替えて「和讚(わさん)」と称する仏教和製声楽を多く作ったと言われている。

洛北大原にある来迎院は「天台声明」の専門道場として作られ、以後現在まで連綿と継承されており、近江坂本の浄蓮華院は「天台声明」の嫡流の寺として今日に至っていると聞き及ぶ。

声明から和讃へ、和讃から平家琵琶(平曲)、浄瑠璃節、三味線の伴秦にて語る浪花節・関東節へと更には盆踊歌、日本歌謡へと変遷していったとする説からすると、まさに邦楽・日本音楽の源流と呼べる訳である。

延暦寺根本中堂から比叡山の木立に響き渡る荘厳な声明を聞かれた方もおられるだろう。

この感動的な、体の奥底までに届いてくる声明が、前段の13日に続き翌10月14日には「天台宗開宗1200年」イベントとして、プラハ・グレゴリオ聖歌隊とのハーモニーで聞かせて貰えるようだ。新しい宗教間対話の形かも知れない。
(予約締切2005/ 9/14 / 077-578-0521)

また、10月14日から16日には真如堂(京都市左京区075-771-0915)だけに残される珍しい声明も聞くことができる。阿弥陀経を独特の調子で鉦に合わせて唱える「引声阿弥陀経」(いんぜいあみだきょう)会が催される。

《2005年時のデータ》
▽日時 毎週日曜日  9:00〜17:00
▽場所 実光院
▽人 天納久和
▽費用, 600円(お抹茶・和菓子付き)
▽内容,拝観 声明寺院の坊で、多くの楽器が陳列してある。声明の伝承者である歴代の住職が収集したもの。900年近くにわたって今なお脈々と流れる声明の伝統に、楽器を通して触れることができる。

▽「天台声明」の専門道場
▽日時 毎週日曜日  9:00〜17:00
▽場所 来迎院
▽人 円仁
▽費用,400円
▽内容, 拝観 勤行の声明を聞くことができる。

▽「引声阿弥陀経」(いんぜいあみだきょう)会
▽日時 10月14日〜10月16日  9:00〜16:00
▽場所 真如堂
▽費用 拝観 500円
▽内容 6日の結願(けちがん)までの3日間、本堂にて、阿弥陀経を独特の調子で鉦に合わせて唱える。「引声阿弥陀経」(いんぜいあみだきょう)の一節を長く引いて唱える「声明」の一種で、現在は真如堂だけに残され受け継がれている。

御詠歌、和讃、声明の試聴出来るホームページにリンク(峯岸如意輪会)
http://www7.airnet.ne.jp/matsuki/nyoirinn.html

「声明」早分かり (大谷大学 教授 岩田宗一)
http://www.houzenin.jp/takuhon/takuhon_54.html

声明(天台寺門宗)
http://www.tendai.jp/shoumyou/index.html

比叡山延暦寺
http://www.hieizan.or.jp/

日本音楽の歴史(日本の伝統音楽)
http://jtrad.columbia.jp/jpn/history.html

国際宗教音楽研究所
http://www.bekkoame.ne.jp/~housenin/link8.html

今日の真如堂? (苦沙彌インターネット僧坊)
http://kusyami.cool.ne.jp/today/001014.html

七聲会をめぐること4 現代の声明 (七聲会)
http://sound.jp/tengaku/Shichseikai/shomyo-j4.html