お精霊さんと五条坂陶器まつり

地獄の逆さ吊りから解放されてみては

8月7日より清水焼発祥の地五条坂で、陶器まつりが恒例通り始まった。
国内最大規模といわれる陶器市は、約500余りの陶器商が出店し、掘り出し物を探し値交渉するお客で賑わう。
この陶器まつりが始まると、小生は俄かにお盆が来たと思う。

お盆は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の通称略称であるが、地域によって「精霊会(しょうりょうえ)」、「魂祭(たままつり)」、「歓喜会」などとも呼ばれ、灯籠流しや万灯会で供養が行われる。
京都では「お精霊さん(おしょらいさん)」と呼び、ご先祖さんの精霊のことを指し、7日から13日までを「お精霊迎え(迎え盆)」、16日を「お精霊送り(送り盆)」といい、この間精霊は家に戻り、家族と寝食をともにおくるのである。

観光名物となった「大文字送り火」は、この「お精霊送り(送り盆)」の明かりである。

盂蘭盆とは、サンスクリット語の「ウラバンナ」の音から転じたもので、「地獄や餓鬼道に落ちて、逆さづりされ苦しんでいる」という意味で、その供養を営むのが「盂蘭盆会」である。 

釈尊の「七月十五日に、過去七世の亡き先祖や父母たちのために、御馳走を作り、僧侶たちに与え、その飲食をもって、供養するように。」、との教えの通りにすると、餓鬼道の苦をのがれ、無事成仏することが出来たと言う故事がある。

その報恩追善供養の為の「お精霊さんのお迎え」が、陶器まつりとともに始まっている。
というより、大正7年より六道珍皇寺の「六道まいり」に合わせて始まったのが、「京都・五条坂 陶器まつり」である。
大和大路五条北角にある「ここよりひがし五条坂」の石碑を超え、東に進み一筋目を左北に300メートル行くと六道珍皇寺で、清水寺に向い進むと、左手北側に通称陶器神社と呼ばれる若宮八幡宮である。
「六道さん」で「迎えの鐘」を撞くと、十万億土の冥界にまで響き渡り、精霊が迷うことなく帰れるといわれ、その鐘を撞く列は後を絶たない。

同日より15日まで「千本ゑんま堂」でも「お精霊さんのお迎え」が行われており、古くより、冥土からのこの世への入り口と言われている。
8月の声を聞くと、5日醍醐山万灯供養会に始まり、六波羅蜜寺、壬生寺、三千院など京都市内の寺院では「お精霊さん」の「迎え火」となる万灯も点り、幻想的な夜が訪れるのである。

京都市中はお盆モードに包まれ、近所のマーケットにも七種(なないろ)の供物が並びだしている。
仏教行事を差し置いても、自然に今ある存在を顧み、新たに感謝の心に触れ、先祖供養をしてみても罰は当たらないであろう。

しかしながら、この暑さの中での五条坂は、六道の辻さながらの地獄絵の体験である。

京都・五条坂 陶器まつり (陶器祭運営協議会)
http://www.toukimaturi.gr.jp/index.html
夏の行事、お盆・盂蘭盆会 (日本の神話と古代史と文化 スサノヲの日本学 京都)
http://susanowo.kyo2.jp/e2781.html