傍目八目:世の中、見方違えばこう変わる。

そんなに着飾らなくてもいいですよ

コンサルタントという仕事をやっていると担当者だけではなく、その会社の社長(私の場合は、個人事業主・中小企業主がすべてだが。)とお話をさせていただく機会がよくある。社長室に伺うと、社是・社訓が掲出されているところが多い。また玄関やロビーに創業者の胸像を置いておられる>ところもある。ただ訳のわからない写真などに出くわすこともしばしば。ご自身が叙勲を受けた折の記念写真などはまだしも、有名人、とりわけ政治家と握手をしている写真などを掲出されている社長がおられる。「なぜ、こんな写真が?この会社とどんな関係があるの?」と常に訝しく感じることしきり。

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今は、どうなっているか知らないが、京都の衣笠のある喫茶店に「アラン・ドロンが座った椅子です。」と表示している店があった。有名なタレントやスポーツ選手と店主が握手をしている写真を壁に掛けている店もある。こういうのは微笑ましくもあるが、一流と呼ばれる店では決してこんなことはやらない。例えば祇園のお茶屋さんが、玄関先などにお客さんの顔写真を掲出したりするであろうか?「おかあさん」もどんなお客さんが馴染みなのかは決して口にはするものではない。だから信頼されもする。顧客に安心を与えるというサービス業の初歩を確実に守っているにすぎないのだが・・・・

私は、若いころG.アルマ-二に身を包み、ポルシェ911カレラの乾いたエンジン音に酔い、夜は祇園町を毎晩のように徘徊していた思い出がある。それはそれで、良し悪しはともかく私の人生の経験のひとつにはなったのであろうが、今、「人生にとってどんな時間だった?」と問われると・・・・・「栄養分がなく、コレステロールいっぱいのグルメ、真空地帯」と答えるあろう。時代の生活価値観、或いは己の人生観が変化したせいであろうか?もっと言うと、中身のない上げ底、己の薄っぺらさの現れに過ぎなかったように思う。

社長室にある大物政治家との写真などを目にするたびに、その社長に「そんな上げ底をしなくていいですよ。貴方はあなたなのですから、着飾る必要なんてどこにもありませんよ。」と言いたくなってしまう。株主、従業員、得意先は経営者に決してそんなことを望んでいるわけではない。いろんな社長がいて、いろんな会社がある。I am on my own way. だから面白い。会社なるもの、「個性の有機的集団」であることを願う。
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