傍目八目:世の中、見方違えばこう変わる。

安倍首相の靖国参拝に思う

内閣総理大臣、安倍晋三。長州藩士、佐藤信寛の末裔。先の戦争のA級戦犯被疑者、岸信介の孫である。
今回の参拝に関してのマスコミを見てみると、中韓の猛烈な反発・抗議はもちろん、同盟国であるアメリカが「失望」した、EUが「アジアの安定を破壊する行為」との論評をしていると報道している。

安倍首相の靖国参拝

安倍首相の靖国参拝
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東・南シナ海の覇権を目論むものの、尖閣諸島の領有権問題に手詰まりを感じた中国は、新たに防空識別圏を設定したり、2013年のビッグニュースとして「日本の右傾化」を掲げたりしている。

また韓国では、朴大統領が世界各国で従軍慰安婦問題をネタに「日本は誤った歴史認識をしている。」と言いまわっている。

そんな状況を看過しておけないアメリカからは先日、副大統領が日中韓を訪問し、政府首脳に「対話による東アジア地域の緊張緩和」を要求している。この時、日本のマスコミは中国の防空識別圏の撤回要求が副大統領訪問の目的であったかのごとき誤った報道をしていたように思う。「地域の安定創出」がその目的であり、同時にアメリカとしては、「副大統領がそれだけの労をとった矢先なのに・・・」という感を拭えないであろう。

世界が共有する「歴史的認識」とは何か?

では、日本人として理解しておかなければならない、一部の例外を除き「勝てば官軍」的な面が無きにしもあらずではあるが、世界が共有する「歴史的認識」とは何か?

*日本の近衛内閣は、1940年にヒトラーのドイツ、ムッソリーニのイタリアと手を組んで日独伊三国同盟を締結している。

IMTFE_court_chamber・戦後、70年近く経った現在でも、中国にはヒトラーによるアウシュビッツ・ユダヤ人虐殺と南京大虐殺を同一視する反日思想がある。
・A級戦犯として逮捕・収監されていた人物の孫ということによる「右傾化」イメージ。

*この条文の中に、東アジアにおける日本の「植民地政策」に独伊は干渉しないということが明文化されている。

・この時代の大日本帝国軍の行動は、すべて日独伊の植民地政策に基づくモノと見做されている。
・「勝利した者に正義がある。」という思考はここにも存在する。無条件降伏を受け入れた以上、日本人のみが知りうる「日本の事情」は斟酌されることはない。

800px-Yasukuni_Jinja*死者を弔うことは当然のことであり、国家のために殉じた人たちのために、国のリーダーが礼を尽くし参拝することは衆目の認める行為である。しかし、神社とは「神を祀る社」である。国家のために先の戦争で殉じた人間が「なぜ、神なのか?」国家のために殉じた人たちは他にも沢山いる、しかしその人たちは神格化されてはいない。

A級戦犯者の合祀問題以前に「神として」祀っていることを理解できない。

*「

戦後70年近く経過しているのに、

中韓はいつまで昔のことを蒸し返しているの?」そして「日本も、もう少し

きっちり対応して早期に

解決しなさいよ。」、「独・仏の間には、すでに共通の歴史教科書だってできているよ。」という時代錯誤・違和感。

なぜこのタイミングに参拝をしたのか?

それでは、誰が(どちらが)持ち出した問題・緊張かという論議は別として、大規模な抗議デモ、破壊活動はもちろんのこと日本製品不買運動による、日本経済再生に水を差すような大きな経済的被害も容易に予想できたはず、アメリカの副大統領の訪中・訪韓もあったばかり、なぜこのタイミングに参拝をしたのか?という疑問をもったのは私だけではないであろう。

私は、日本の政治家・官僚のグローバルセンスの欠如をこれまで幾度となく指摘してきたが、今回の安倍首相の行動には、前述の「世界の歴史認識」を踏まえた上で、したたかな裏がきっとあるに違いないことを期待している。

対話をしようとしても中韓が応じない。これ以上、関係が冷え込むことはなかろう、経済的損失も一時的なものであろうという「裏付けのある根拠」と開き直り、「Mr.Abeが参拝をしても日米の関係に支障をきたすことはない。但し、米政府としては、先日の訪中・訪韓時の副大統領の言葉と矛盾する行動なので<失望>という論評をすることになるが・・・」ということを織り込み済みの「米政府の言質」を取り付けてあるのであろう。

でなければ、安倍首相は暗愚であると言わざるを得ず、「君、暗愚にして国滅ぶ。」日本国民として、日本の将来を憂慮せざるを得ないことになる。