山鉾巡行が済むと、祇園祭は終わったように話されるが、これは大間違いだ。
17日の巡行日から24日の花傘巡行までの1週間が、祇園祭の真只中なのだ。
つまり、八坂神社の神輿が御旅所に「おいで(神幸祭)」になるのが17日で、「おかえり(還幸祭)」になるのが24日だからである。
元来、24日の後祭にも「山鉾巡行」は列記としてあったと聞く。
その後、「山鉾巡行」が前祭に統合されたため、「花傘巡行」がはじまったという。
そのような変遷があっても、神輿は変わらず同日とも担がれてきた。
されば、むしろ山鉾巡行の日は祇園祭の始まりの日とさえいえる。
さて、祭につきものは寿司である。
巻寿司、鯖(サバ)寿司、ちらし寿司は日本国中どこでもポピュラーだ。
しかし、祇園祭の7月は、これらの寿司をおいても「鱧(ハモ)寿司」をいただきたい。
「鱧寿司」ばかりではない、鱧そのもの、「鱧づくし」をいただきたい。
いわんや、京懐石の具材たちであろうとも、鮎も岩魚も、この時ばかりは遠慮願いたい。
硬い小骨が多く、切身として食せるところのない鱧を、京料理の欠かせない食材にまで仕立て上げた、京の先人を誇りに思うのは小生だけではあるまい。
盆地のため活魚がなかった京都で、他所では相手にされなかった鱧を制覇したのだから。
京の板前は、煮ても焼いても食せない鱧を「骨切り」して、夏のご馳走の逸品としたのだ。
鱧は生命力が強く、唯一活魚として京都に持ち込めるものだったため珍重せざるを得なかったが゛、これを食するという大命題に、見事なまでに調理の工夫を施したのである。
つまり、他所ではいただけない名物料理だったのである。
現在では、活鱧はとろ鱧(絞めて血抜きしたハモ)の入荷量を追い越し、その入荷量は祇園祭宵山の1日でも2万匹(8トン)、年間600トンにも及ぶそうだ。
「骨切り」は誰も相手にしなかった鱧を、秀逸の食材に仕立て、反り返り白い花を咲かせたような芸術的ともいえる、視覚と味覚に触感を与えている。
その包丁捌きは、皮を切らずに骨を切るのだ。
一寸幅(約3センチ)の身に24切以上の包丁を手早く入れる。
これが「骨切り」だと言う。挑戦を試みたが至難の技だ。
分厚く大きく重い「骨きり包丁」を以って押し切るというが、皮一枚残すとは大変である。
力を入れると皮まで切れる。といっても力を抜くと骨は切れない。
これでは食べるに徹するが良いというものだ。
「鱧づくし」をいただくとなると、うなぎやあなごの仲間であるからして、酢の物の「鱧ざく」、鉢物の「焼鱧」、飯物の「鱧茶」や「鱧まむし」は容易に想像がつく。
しかし、「鱧しゃぶ」や「鱧刺身」となると「ふぐ料理」の領域である。
更に、向附の「鱧おとし」となると他に例を見ない。湯引きしたひんやりあっさり味の鱧の身は、ワサビも梅も酢味噌も受け入れる。この辺りに「鱧づくし」の魅力がある。
椀物になる「鱧の白子豆腐」や「鱧葛たたき清まし汁」などが出されると、思わず流石と感じる。
その他、賀茂茄子煮に「鱧そぼろ」、茄子素麺に「焼鱧」や「鱧の煮こごり」も嬉しい。
加えて、「鱧の焼き霜づくり」が出てくるものなら、「この店には、次もくるぞ!」などと思ってしまう。
祇園祭を別名「鱧まつり」と呼ぶ、京都の町衆の面持ちが伝わっただろうか。
鱧寿司 (本田鮮魚店)
http://www.hondasengyoten.com/hamo/hamozushi.html
鱧料理
http://e-27.com/cooking-040120.html
鱧料理・はもづくし (大喜久)
http://www.f7.dion.ne.jp/~daikiku/
秘伝 鱧料理 (高大寺 馳走 高月)
http://www.kyoto-kougetsu.co.jp/kougetsu/k_top.html
鱧三昧コース&鱧十二撰 (京都天ぷら かふう)
http://www.t-kafuu.com/index.html
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
17日の巡行日から24日の花傘巡行までの1週間が、祇園祭の真只中なのだ。
つまり、八坂神社の神輿が御旅所に「おいで(神幸祭)」になるのが17日で、「おかえり(還幸祭)」になるのが24日だからである。
元来、24日の後祭にも「山鉾巡行」は列記としてあったと聞く。
その後、「山鉾巡行」が前祭に統合されたため、「花傘巡行」がはじまったという。
そのような変遷があっても、神輿は変わらず同日とも担がれてきた。
されば、むしろ山鉾巡行の日は祇園祭の始まりの日とさえいえる。
さて、祭につきものは寿司である。
巻寿司、鯖(サバ)寿司、ちらし寿司は日本国中どこでもポピュラーだ。
しかし、祇園祭の7月は、これらの寿司をおいても「鱧(ハモ)寿司」をいただきたい。
「鱧寿司」ばかりではない、鱧そのもの、「鱧づくし」をいただきたい。
いわんや、京懐石の具材たちであろうとも、鮎も岩魚も、この時ばかりは遠慮願いたい。
硬い小骨が多く、切身として食せるところのない鱧を、京料理の欠かせない食材にまで仕立て上げた、京の先人を誇りに思うのは小生だけではあるまい。
盆地のため活魚がなかった京都で、他所では相手にされなかった鱧を制覇したのだから。
京の板前は、煮ても焼いても食せない鱧を「骨切り」して、夏のご馳走の逸品としたのだ。
鱧は生命力が強く、唯一活魚として京都に持ち込めるものだったため珍重せざるを得なかったが゛、これを食するという大命題に、見事なまでに調理の工夫を施したのである。
つまり、他所ではいただけない名物料理だったのである。
現在では、活鱧はとろ鱧(絞めて血抜きしたハモ)の入荷量を追い越し、その入荷量は祇園祭宵山の1日でも2万匹(8トン)、年間600トンにも及ぶそうだ。
「骨切り」は誰も相手にしなかった鱧を、秀逸の食材に仕立て、反り返り白い花を咲かせたような芸術的ともいえる、視覚と味覚に触感を与えている。
その包丁捌きは、皮を切らずに骨を切るのだ。
一寸幅(約3センチ)の身に24切以上の包丁を手早く入れる。
これが「骨切り」だと言う。挑戦を試みたが至難の技だ。
分厚く大きく重い「骨きり包丁」を以って押し切るというが、皮一枚残すとは大変である。
力を入れると皮まで切れる。といっても力を抜くと骨は切れない。
これでは食べるに徹するが良いというものだ。
「鱧づくし」をいただくとなると、うなぎやあなごの仲間であるからして、酢の物の「鱧ざく」、鉢物の「焼鱧」、飯物の「鱧茶」や「鱧まむし」は容易に想像がつく。
しかし、「鱧しゃぶ」や「鱧刺身」となると「ふぐ料理」の領域である。
更に、向附の「鱧おとし」となると他に例を見ない。湯引きしたひんやりあっさり味の鱧の身は、ワサビも梅も酢味噌も受け入れる。この辺りに「鱧づくし」の魅力がある。
椀物になる「鱧の白子豆腐」や「鱧葛たたき清まし汁」などが出されると、思わず流石と感じる。
その他、賀茂茄子煮に「鱧そぼろ」、茄子素麺に「焼鱧」や「鱧の煮こごり」も嬉しい。
加えて、「鱧の焼き霜づくり」が出てくるものなら、「この店には、次もくるぞ!」などと思ってしまう。
祇園祭を別名「鱧まつり」と呼ぶ、京都の町衆の面持ちが伝わっただろうか。
鱧寿司 (本田鮮魚店)
http://www.hondasengyoten.com/hamo/hamozushi.html
鱧料理
http://e-27.com/cooking-040120.html
鱧料理・はもづくし (大喜久)
http://www.f7.dion.ne.jp/~daikiku/
秘伝 鱧料理 (高大寺 馳走 高月)
http://www.kyoto-kougetsu.co.jp/kougetsu/k_top.html
鱧三昧コース&鱧十二撰 (京都天ぷら かふう)
http://www.t-kafuu.com/index.html
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
5041-060718-夏
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