天神さん、丑のお告げでくる年を迎える

大晦日 除夜 by 五所光一郎

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大晦日をどこでどのように過ごすか。

カウントダウンイベントで声を合わせるも良し、白銀の山や、湯煙の中、あるいは、海外という非日常の環境で英気を養うも良し、家族団欒で除夜の鐘を遠くに聞きながら年越しそばを頂き、氏神さんにお参りするも良し。

来る新年がよい年になるようにと、各々にとっての清々しい過ごし方で迎えていただきたい。

アメリカ合衆国では初の黒人大統領を選んでの新年を迎えるが、未曾有の不況を抱えての船出に彼は救世主となるのだろうか。
その不況は世界的な規模での経済破綻の兆しをもたらしている。
日本も他人事ではない。

大企業の生存競争対策は、歳の瀬の大幅な雇用削減の発表に繋がり、寄らば大樹の影とは言えなくなっている。更に、政府のセーフティネット対策も来年の国民生活を守れるものとは言い難い。

そうなると、各々個々人の生存を如何に図るかが命題となる。

つまり、昨日までやっていたことを、ただ単に頑張ってやるだけでは、生存が保証されない訳である。
まず、視点を変え、工夫を超えた変革を為さねば、活路が見出せないという現実を如何に捉えるか。

仕事も、生活も、現状を変えたくないという保守本能がはたらけど、その根本となる考え方に変革を加えなければ、生存の道が見出せないのではないだろうか。

それほどに厄介な大晦日を迎えようとしている。
小生は、自身の生存を賭けた自身の変革の道筋が、まだ見つけられていない。

「正月や、めでたくもあり、めでたくもなし」というのが本音である。

となれば、先人に習い、普遍の視点に照らすべく、神仏に手助けしてもらう外ない。


大晦日除夜とは、一年間の迷いを除く夜で、ゆく一年を振り返り反省し、真新しい純白の心持でくる年を迎える夜であるという。
この夜は、夜明かしで迎える習わしがあり、夜がないため除夜とも呼ばれている。

その夜に撞くお寺の鐘は、除夜の鐘と呼び、百八つである。

人の持つ煩悩の数であるとか、四苦八苦を足したものであるとか、諸説あるが、ゆく年一年間の日々の迷い苦しみを取り払い真白くなるために、一撞きづつ丁寧に撞いているのに違いはない。

鐘の音は十八秒続いている。十八は仏教に説かれる「眼(げん)」「耳(に)」「鼻(び)」「舌(ぜつ)」「身(しん)」「意(い)」の六根に、「好(こう:気持ちが好い)」「悪(あく:気持ちが悪い)」「平(へい:どうでもよい)」を掛けた数と同数である。

その響き渡る余韻に、人は心の静まりを覚えているはずである。

例年であると、僧侶が撞く知恩院さんの鐘の音を聞くと、自分の手で撞きたくなり隣の青蓮院で撞かせて貰い、身心を乱し悩ませる心の働きを静め、八坂神社で「をけら火」を貰い、初詣する。

今年は、来年の丑年に縁起を担いで、縁の丑が沢山鎮座している北野天満宮で、除夜を過ごそうと思っている。

元旦0時、本殿前賽銭箱に、八方から一斉に功徳の心を投げ入れる一人になるかも知れない。
投げ入れを合図かのように奏でられる雅楽は、年明けに相応しい響きで、その始まりの時空を共に一度はすべきだと、知人から勧められている。

それに天神さんなら「火之御子社鑽火式(大晦日19時30分)」の齋火の火縄を授かり(22時)、家に持ち帰ることもできる。

とすると、天神さん近くで、除夜の鐘を撞かせて貰えるところを探さねばならない。千本通にあるゑんま堂周辺の檀家寺に電話して確かめるつもりである。

北野天満宮での大晦日の大祓式は16時に執り行われる。

百年に一度の大不況と報じられるゆく年くる年に、まず天神さんのお告げに耳を澄ましてみることにしたい。

仮にも、モー懲り懲りなどとは聞きたくない。

「丑」の字は、万物が厳しい寒冷の地中にあって、やがて来る春を待ちながら忍耐強く鋭気を養い、活動に備え、力強く働き始める様子を意味しているのだから。

せめて、「牛角 書を掛く」と、これなら受け入れられる。




知恩院除夜の鐘
http://www.chion-in.or.jp/topics/joya_2008.html

青蓮院
http://www.shorenin.com/haikan/
http://puchitabi.jp/08/12/post-5795.html

八坂神社
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/

北野天満宮社報12月号
http://www.kitanotenmangu.or.jp/425.pdf

ゆく年くる年除夜の鐘 (e-kyoto)
http://www.e-kyoto.net/topics/12kane/#rakutyu

千本ゑんま堂
http://yenmado.jp/

【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
5214-081230-12/31

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