肌寒い宵とはいえ産寧坂でも二寧坂でも急いで歩いてはならぬ。
ここで転べば余命は各々三年、二年と定められる。
こんな祖母の戒めを思い出しながら混雑を避けて歩いた。
産寧坂(三年坂)の呼称は、北野政所ねね様が居を構えていた高台寺から清水寺へと、我が子の誕生を念じて、つまり「産」を「念」じて通った坂道というところから呼ばれるようになったことはご存知の通りである。
二寧坂の先の小路の角に、『京乃坂みち一念坂』との石碑があるが、ここが平坦であるから不思議だ。
何故かと思えば、この道は平成の世になってから命名されたものだ。
ふたつの坂にあやかってつけられた名前らしい。
だから、ここで転んでも余命一年とはならないのだろう。
そう思いながら、一年坂の方へ足を向けて見た。
その先には竹内栖鳳邸跡にイタリアンレストランを併営するTHE SODOH BY THE GARDEN ORIENTAL KYOTOがどっしりと構えていた。
昭和初期皇族達も通うサロン「東山艸堂(ひがしやまそうどう)」として華やかであったところである。
少々驚いた。ここに出るのかと。緩やかなS字の石積の塀には風情が漂っていた。
アスファルトの細道だが、小路が石畳に敷き直されれば、更に秘密めいてくる趣を持つところだ。
観光商業地として賑わう二寧坂界隈から山側の坂道に入ると、寸時に喧騒から離れ静寂がある。
「維新の道」「龍馬坂」と呼ばれている寺院を周回できる道である。
この辺りからなら「八坂の塔」が京町家の甍越しにじっくりと、しっとりと眺めることが出来る。
八坂道から見上げるお馴染みの光景とは、ひと味もふた味もの違いが味わっていただけるであろう。
春の観光シーズンを前にした、東山の花灯路にライトアップのコラボレーションは名残惜しいが、京の冬の催事であるから仕方ない。
春分の日が過ぎたら、花見がてらにもう一度訪れなければならない。
授かり物を求め忘れたことを思い出したからだ。
それは猿。猿である。手足を縛られて動けない猿である。
この猿は八坂の五重の塔のすぐ東にある「八坂庚申堂」で授かることができる「くくり猿」のことである。
小生にとって今年の念願を叶えるには「くくり猿」の力を借りねばならないのだ。
小生の煩悩が動めき、悪事に走ったり、我欲に負けそうになる時、くくり猿の如く、庚申さんにその欲望をコントロールしてもらいたいのである。
赤、青、黄の「くくり猿」から念を抜き去り、護摩供養していただく日まで、「おん でいば やきしゃ ばんた ばんた かかかか そわか」を唱えるつもりだ。
八坂庚申堂の近隣の商家に吊るされているのと同様の五猿を授かり、目出度さで終える一年としたい。
そして更に、心待ちにしているのが「庚申日」の縁日である。
朝9時より午前中には「ご祈祷こんにゃく焚き」があり、庚申護摩供養が3回執り行われる。
更に、深夜0時より「おこもり」がある。堂内に朝までこもり「庚申待ち」をするのである。
参加するなら閉門の0時までに入門されれば「おこもり」ができる。
春分の日を迎えると、まるで冬眠あけの動物達のようにおおはしゃぎになる。
二寧坂のホームページ
http://2nenzaka.ne.jp/
日本最初 八坂庚申堂
http://www.geocities.jp/yasakakousinndou/index.htm
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
ここで転べば余命は各々三年、二年と定められる。
こんな祖母の戒めを思い出しながら混雑を避けて歩いた。
産寧坂(三年坂)の呼称は、北野政所ねね様が居を構えていた高台寺から清水寺へと、我が子の誕生を念じて、つまり「産」を「念」じて通った坂道というところから呼ばれるようになったことはご存知の通りである。
二寧坂の先の小路の角に、『京乃坂みち一念坂』との石碑があるが、ここが平坦であるから不思議だ。
何故かと思えば、この道は平成の世になってから命名されたものだ。
ふたつの坂にあやかってつけられた名前らしい。
だから、ここで転んでも余命一年とはならないのだろう。
そう思いながら、一年坂の方へ足を向けて見た。
その先には竹内栖鳳邸跡にイタリアンレストランを併営するTHE SODOH BY THE GARDEN ORIENTAL KYOTOがどっしりと構えていた。
昭和初期皇族達も通うサロン「東山艸堂(ひがしやまそうどう)」として華やかであったところである。
少々驚いた。ここに出るのかと。緩やかなS字の石積の塀には風情が漂っていた。
アスファルトの細道だが、小路が石畳に敷き直されれば、更に秘密めいてくる趣を持つところだ。
観光商業地として賑わう二寧坂界隈から山側の坂道に入ると、寸時に喧騒から離れ静寂がある。
「維新の道」「龍馬坂」と呼ばれている寺院を周回できる道である。
この辺りからなら「八坂の塔」が京町家の甍越しにじっくりと、しっとりと眺めることが出来る。
八坂道から見上げるお馴染みの光景とは、ひと味もふた味もの違いが味わっていただけるであろう。
春の観光シーズンを前にした、東山の花灯路にライトアップのコラボレーションは名残惜しいが、京の冬の催事であるから仕方ない。
春分の日が過ぎたら、花見がてらにもう一度訪れなければならない。
授かり物を求め忘れたことを思い出したからだ。
それは猿。猿である。手足を縛られて動けない猿である。
この猿は八坂の五重の塔のすぐ東にある「八坂庚申堂」で授かることができる「くくり猿」のことである。
小生にとって今年の念願を叶えるには「くくり猿」の力を借りねばならないのだ。
小生の煩悩が動めき、悪事に走ったり、我欲に負けそうになる時、くくり猿の如く、庚申さんにその欲望をコントロールしてもらいたいのである。
赤、青、黄の「くくり猿」から念を抜き去り、護摩供養していただく日まで、「おん でいば やきしゃ ばんた ばんた かかかか そわか」を唱えるつもりだ。
八坂庚申堂の近隣の商家に吊るされているのと同様の五猿を授かり、目出度さで終える一年としたい。
そして更に、心待ちにしているのが「庚申日」の縁日である。
朝9時より午前中には「ご祈祷こんにゃく焚き」があり、庚申護摩供養が3回執り行われる。
更に、深夜0時より「おこもり」がある。堂内に朝までこもり「庚申待ち」をするのである。
参加するなら閉門の0時までに入門されれば「おこもり」ができる。
春分の日を迎えると、まるで冬眠あけの動物達のようにおおはしゃぎになる。
二寧坂のホームページ
http://2nenzaka.ne.jp/
日本最初 八坂庚申堂
http://www.geocities.jp/yasakakousinndou/index.htm
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
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