山鉾の巡行

市電の架線は取り払う、信号は折りたたむ
 その昔(といっても最近までですが…)、市電=路面電車が四条通を走っていました。ですから電車が走るための架線が通りに架かっていました。で、祭りのときそれはじゃまですよね~。どうするのか? 切ってしまうんです。そして鉾が通りすぎると後ろからクレーン車が来て架線を張っていく…。それくらい祭りへの思いが強いというか…。 今は路面電車は走っていませんが、それでも四条通りを鉾が巡行するのに、なんといっても信号が邪魔になります。信号機は切ってしまうわけにはいきません…。で、どうなっているのか? 折りたたみ式になっているのですね~。それくらい京の町、町衆の思いは、祇園祭に結びついているのですね。 

市長の役目…。

くじ改め
 そんな山鉾巡行の見どころの一つに、「くじ改め」というのがあります。四条堺町で、鉾が順番通りに来ているかを確認するのですが、誰が改めるのか? それは、神職ではなく市長なんですね。先頭は長刀鉾と決まっておりますが、くじどり(巡行の順番を決める)も市役所で7月2日に市長がします。それは山鉾巡行が町衆の祭りであるということの表れであります。 

御旅所

疫神を山鉾に集めてきて、御旅所に閉じこめる
 そして、くじを改めて山鉾が巡行していくわけですが、是非観ていただきたいのが、御旅所を過ぎるところです。この御旅所は祇園の八坂神社から神様が出張に来られているところで、町のあちらこちらから疫神を山鉾に集めてきて、この御旅所に閉じこめると、この御旅所で牛頭天王が疫神をやっつける…というわけです。
 ですのでその御旅所までは「お渡り」といって、ゆっくりとしたお囃子で進みます。疫神を御旅所に封じ込めた後は戻り囃子といいまして、速いお囃子に変わるのです。こういったことも知っておくと、 祇園祭の見方がまた少し変わるのではないでしょうか?

辻回し

竹を敷いて、水を打って
祇園祭 鉾建て  これもまた、山鉾巡行のクライマックスの一つです。山も鉾も車輪が付いているが、車軸は固定されているので、方向転換するには、道路に竹を敷いて、水を打って、滑らせて方向転換しなければなりません。京の大辻、四条河原町での辻回しは、各山鉾の所作の違いや気合など、大変見どころの多いところです。

揺れる鉾…

体躯を支えるのは麦縄
 山鉾には釘は1本も使われていません。その大きな体躯を支えるのは麦縄です。しかし、その麦縄がスプリングとなり(見ていると揺れてちょっと、というかかなり?恐ろしい感じがしますが…)壊れないし、コケないのです。これも昔ながらの智恵のひとつなのです。
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