山鉾建て

ビジネス街の大通を堰きとめて、職人が腕を振るう
祇園祭 鉾建て
祇園祭 鉾建て
祇園祭 還幸祭 後祭 : 差したッ! 振られたッ!
祇園祭 還幸祭 : 四条烏丸交差点での差し回し
山鉾巡行はいわば祇園祭のメインイベント。疫病等の災厄をもたらす疫神を鎮めるため、依り代(よりしろ)である鉾や山が巡行します。鉦や笛、太鼓で囃すのは、荒ぶる疫神(怨霊)を鎮めるためで、神輿に祇園社(八坂神社)の神を迎えるのに先立って、都大路の清祓します。そして、それぞれの鉾や山には、こんないわれや由来があって、御神体や意匠はそれぞれの由来にちなむものなのでした。
 巡行に先だつ数日間にわたって山鉾建ては行われますが、ほとんど家を一軒建てるぐらいの規模で、その様子は壮観。建立に際しては、釘やかすがいの類は一切使わず、つぎと縄のみで建てられます。建材(というか簡単に言うと各部品ですね)は、各山鉾町の会所の蔵などに保管されていて、「大工方」「手伝い方」「囃子方」「車方」「曳方」と、関わる人たちは分業制で山鉾に携わっているのです。
 数基の曳き初めを経て巡行までの宵を飾り、粽やお守りなどを授与していて、それぞれに御利益があります。
 現在、巡行している山鉾は32基で、その他に大火や戦禍で焼失したものなどがあり、休鉾と呼ばれるものも数基存在します。

ほいっと、ほいっと

神輿の三若、四若、錦ってなんだ?
 祇園祭りには三基の神輿が出て、それぞれに神様が輿られる…そして氏子町をまわる(we)わけなのだが、その神輿を担ぐのが、それぞれの氏子圏の若衆なのである。若といっても、やはり神様を輿にのせて…である、ある程度の倫理観と責任感、そして体力もある…という条件の下、25歳~40代までの青年、ということになる。
 で、「三若」「四若」「錦」であるが、それは、三条通、四条通、錦通と考えてもらって良いのです(それぞれ「中御座」「東御座」「西御座」を担ぎます)。厳密にはなかなか難しいんであるが…、ま、そういう範疇で担ぎ手と氏子のグルーピングがなされている、ということです。若というのはある意味、神輿をかつぐ青年=若衆という意味であって、どうして錦には若がつかないかといえば、ゴロが悪いから…というだけであって、それもなんというか京の「粋」なところであります。
 ちなみに、御輿洗い(q)の時は、本来三若が担ぐ中御座を、四若の若衆が担ぎます。これもまた複雑なので、詳しい説明は割愛しますが、担ぎ手は錦や三若の連中も含めて、連合軍で担ぎます。神聖な祭りの非常に大事な神事でありますから。
 四条通を松明で清め、飾りつけのない中御座の神輿を鴨川の神水で清めます。というか、この日はなぜか土砂降りの雨がやってきます。水で全てを清める…そんな荘厳な気分になるとともに、心身ともに疫病に打ち勝つという気になるから不思議なモノです。

無言参り

ほんものにであうチャンス
 無言参りは、祇園祭にともなう舞妓・芸妓の古くからの風習で、藤井大丸の東側の御旅所に神輿が三基鎮座する17日から24日の間、祇園甲部、宮川町の舞妓・芸妓が四条大橋を超えて、鴨川を渡り、願いを込め「無言」で、四条御旅町に七日七夜神輿前に詣でると願いが叶う(えぇ旦那はんについてもらうとか、いやな旦那とはフォーエバーしたいとかですな…)という言い伝えがあり、今なお舞妓はんで実践している方も多いです。
祇園祭  : 東御座の着座を見物の芸妓さんと西御座の輿丁 基本、ホンマもんの舞妓はよっぽどの知り合いでないと、声を掛けても無視(無言)ですが…。なんせ四条河原町で 舞妓が歩いていることに遭遇する、しかもニセではないの 祇園祭 還幸祭 : 石段下から東御座神輿が練り歩いてくる はこの「無言参り」の時だけではないでしょうか? ある意味、無言参りの舞妓に会えたら、ご利益…ありあり、かもであります。

平成女鉾

いつかはワタシも…、な平成レア鉾。
 まだ寒さの残る3月17日。烏丸三条あたりで、聞き慣れたはずだが、少し「?」と思える音がする。これはなんだ? と覗くと、新風館に実に立派な鉾が建っていて、祇園囃子の音がする。「祇園祭に先だって、新しい趣向か?」、にしてはずいぶん早い。
 見ると「平成女鉾」とある。なるほど、お囃子が女性の声。おや? と思った違和感の原因はこれである。全員女性なのである。
祇園祭 平成女鉾  そもそもは'94年、平安建都千二百年事業を機に、「老若男女を問わず参加できる鉾をつくり、伝統と文化を花開かせ新しい歴史を開いていこう」という理念のもと、「平成女鉾をつくる会」という組織が、有識者の協力や財界の有志により発足したそうな。山鉾町を基盤にせず運営されていて、2年後の'96年には、なんと実際に「平成女鉾」が完成(建立費約5千万円!)。御神体に櫛稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)を八坂神社から授かった、重量10t、高さ20mの、それは立派な姿なのである。同年に囃子方を募集、函谷鉾の囃子方の指導を受けた「平成女鉾清音会(へいせいおんなぼこさやねかい)」が今年で12年目を迎え、現在は実質的な鉾の運営を行っている。11歳の小学生から、70歳オーバーの方まで、全員女性。この秋には新たな囃子方の募集もあるらしい。こりゃまさに「女もすなる、祭といふもの」…、である。
 山鉾町を基盤にしていないとういことは、誰もが関わることができるということで、これについては賛否の分かれるところかもしれないが、ご本人たちもそれは百も承知で、「祭が好きで好きでジッとしてらんないんだもん」的な、町衆の正直な思いが伝わるのである。
 山鉾巡行への参加はいまだ果たせていないし、費用の問題もあって、次にいつ、どこでこの女鉾が建つかは未定なのだ(だからある意味レアなのである)。 2010/7/31(土)京都・八坂神社舞殿にて奉納囃子を行うという。
 実際に観ると、いやなんとも艶やか。とにかくお囃子にしろ鉾そのものにしろ、とても立派なものだった、とだけお伝えしておこう。
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