「ハモ落とし」が夏の京料理の代表であることから、祇園祭を別名「鱧祭」とも呼ぶ。そして、祇園祭と言えば山鉾がすっかり看板となり、山鉾巡行が京観光の顔のひとつとして定着している。
ところが、この山鉾を鴨川の東で未だかつて見たことがない。
祇園町でも、石段下でも、八坂神社の境内においても。
また、17日の山鉾巡行が終わると、祇園祭のクライマックスが済んだと報じられる。
どこかおかしい。神社祭礼のメインは神輿だ。祇園祭は八坂神社のお祭りである。
巡行までの行事は、祇園祭のいわば前座である。
山鉾の「生稚児(いきちご)」が、「社参」により祭礼の使者となるほかは、神霊の町への来訪を歓迎する町衆イベントのパレートである。御霊会における山鉾の祭事運営を任された、いわば市民祭歓迎行事なのだ。
巡行の後鉾町に帰った鉾は即座に解体される。その頃より神輿に乗った神は八坂神社から氏子町を練り、寺町四条の御旅所へ向かって、三社の神輿が鴨川を渡ってくる。この神幸祭・神輿渡御が主要祭礼である。すなわち、神事祭礼の前の町衆の催事と考える。
古今、山鉾は祇園町を通ったことはない。
故に、八坂神社や鴨川の東では「宵宮」と呼び、鴨川の西では「宵山」と呼ぶ。
従って、神輿は八坂神社境内に神輿蔵があり、山鉾は保存会の鉾町に格納庫があると言う具合である。
神幸祭では、
中御座(素戔鳴尊)、東御座(櫛稲田姫命)、西御座(八柱御子神)の3社の神輿が、「三若神輿会」「四若神輿会」「錦神輿会」の手で担がれ、夜9時頃御旅所前で「カン鳴らし」と「さし上げ」の気勢のあと、七夜の間安置される。
17日の「静の巡行」と「動の渡御」との対比は実に感慨深い。
祇園会の風流の核が見られ、全国の祭礼の典型がここにあるのだ。
その御旅所前では、浴衣姿の舞妓ちゃんや芸妓さんが神輿に手を合わせている姿を目にする。これは「無言参り」という願掛けが始まっているのだ。
祇園祭にともなう古くからの風習で、花街の女性が鴨川を渡り七日七夜の間、無言で参詣すると、叶わぬ恋も叶うという習わしである。
還幸祭まで七夜しかない上に、還幸祭の夕方には御旅所から神輿は八坂神社に
戻られてしまう。神幸祭の安置された夜より、毎晩通わねば七日七夜にはならない。初日に出遅れれば、もう後はない。
宵山や山鉾巡行に、京都最大の観光客を動員するまでに成し遂げた町衆のパワーには目を見張るものがある。先人のエネルギーの昇華が肌身に伝わってくるというものだ。八坂神社の氏子町に居て、継承していかなければならないものを感じさせられる。
しかし、山鉾巡行見物に終わることなく、祇園祭の起源、原点に遡ると、17日の神幸祭(前祭・おいで)や24日の還幸祭(後祭・おかえり)にも目を向けてもらいたいと思う。
一度は神輿渡御にスポットを当てて参加されてみてはいかがか。
「ホイット ホイット」
京都・祇園祭 (WA☆DAフォトギャラリー)
http://wadaphoto.web.infoseek.co.jp/gion1.htm
神事から見た祇園祭 (八坂神社)
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/pictures/009.html
祇園会の神輿(壬生村)
http://www4.ocn.ne.jp/~mibu/gionmatsuri/mikoshi.html
神輿神事運営団体
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/9371/mikosi.htm
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
ところが、この山鉾を鴨川の東で未だかつて見たことがない。
祇園町でも、石段下でも、八坂神社の境内においても。
また、17日の山鉾巡行が終わると、祇園祭のクライマックスが済んだと報じられる。
どこかおかしい。神社祭礼のメインは神輿だ。祇園祭は八坂神社のお祭りである。
巡行までの行事は、祇園祭のいわば前座である。
山鉾の「生稚児(いきちご)」が、「社参」により祭礼の使者となるほかは、神霊の町への来訪を歓迎する町衆イベントのパレートである。御霊会における山鉾の祭事運営を任された、いわば市民祭歓迎行事なのだ。
巡行の後鉾町に帰った鉾は即座に解体される。その頃より神輿に乗った神は八坂神社から氏子町を練り、寺町四条の御旅所へ向かって、三社の神輿が鴨川を渡ってくる。この神幸祭・神輿渡御が主要祭礼である。すなわち、神事祭礼の前の町衆の催事と考える。
古今、山鉾は祇園町を通ったことはない。
故に、八坂神社や鴨川の東では「宵宮」と呼び、鴨川の西では「宵山」と呼ぶ。
従って、神輿は八坂神社境内に神輿蔵があり、山鉾は保存会の鉾町に格納庫があると言う具合である。
神幸祭では、
中御座(素戔鳴尊)、東御座(櫛稲田姫命)、西御座(八柱御子神)の3社の神輿が、「三若神輿会」「四若神輿会」「錦神輿会」の手で担がれ、夜9時頃御旅所前で「カン鳴らし」と「さし上げ」の気勢のあと、七夜の間安置される。
17日の「静の巡行」と「動の渡御」との対比は実に感慨深い。
祇園会の風流の核が見られ、全国の祭礼の典型がここにあるのだ。
その御旅所前では、浴衣姿の舞妓ちゃんや芸妓さんが神輿に手を合わせている姿を目にする。これは「無言参り」という願掛けが始まっているのだ。
祇園祭にともなう古くからの風習で、花街の女性が鴨川を渡り七日七夜の間、無言で参詣すると、叶わぬ恋も叶うという習わしである。
還幸祭まで七夜しかない上に、還幸祭の夕方には御旅所から神輿は八坂神社に
戻られてしまう。神幸祭の安置された夜より、毎晩通わねば七日七夜にはならない。初日に出遅れれば、もう後はない。
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しかし、山鉾巡行見物に終わることなく、祇園祭の起源、原点に遡ると、17日の神幸祭(前祭・おいで)や24日の還幸祭(後祭・おかえり)にも目を向けてもらいたいと思う。
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http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/9371/mikosi.htm
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
5145-050712-7/17
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