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第44回秋季京都非公開文化財特別公開も大方幕を閉じた。
1日からの限られた日程なので、長期休暇でもとらない限り、休日だけでは全部は勿論、ただの一寺院ですら拝観し終えられないところもある。
勢いテーマを決めて拝観寺院を絞り込むことになる。
名勝庭園巡りや、「狩野か長谷川か」と、屏風襖絵巡りなどは旅行社の観光バスツアーにありそうなので、切り口を変えて龍をテーマに臨済宗寺院を巡るとか、そんなことを考えると実に面白いはずだ。
東寺五重塔初層内部、知恩院三門楼上内部、金戒光明寺山門二層内部、東福寺三門二層内陣を巡る「隠し部屋巡り」という思いつきは、我ながら気に入ったのだが、これは来春の楽しみ残し、結局のところ、「源氏物語ゆかりの地巡り」となった。
平凡そうだが、千年紀の節目の年ならではのことと悦にいっている。
拝観の都度、腕章を巻いたお嬢さんなどが、受付や文化財の説明をしてくれるのも有難い。
あまりに簡素な説明なので質問を投げかけてしまったが、戸惑う人がほとんどで、笑って「次までに勉強しといてね」という台詞を残すしかなかった。
繁忙期のことであり、付け焼き刃と言っては失礼だろうが、一通りの解説のみでおおむねは済むのであろう
結局のところ、協会の職員さんかと思い込んでいたが、学生バイトさんのようだったので致し方ないことである。
申し訳ないことをしたと恐縮している。
そこでふと思った。
京都検定の合格者の活躍の場に商工会議所は頭を痛めているようだが、文化財保存協会は、積極的なシステムとして、この合格者の方々の活用を考えても良いのではないだろうか。一石二鳥、否、三鳥もあるのではないか。
市内を巡っていると、この季節はついつい欲張りになってしまう。
文化財だけでも消化しきれないのに、「献菊 お火焚き もみじ狩り」とのお題目が、頭の中を駆け巡ってしまう。
菊で挙げると、咲いている期間が長いとはいえ、十一月の第2週・3週ともなると、西本願寺や植物園は盛りを過ぎているし、醍醐寺や泉涌寺も終盤を迎え、大覚寺の嵯峨菊に的が絞られてくる。
お火焚きでいうと、7日に貴船神社、8日に伏見稲荷大社が終わり、14日の新日吉神宮、15日の御香宮神社、 16日のゑびす神社、20日の城南宮、22日の広隆寺、23日の建勲神社など、記しきれないほどに市内の各氏神が控えている。
お火焚きは、焚き火好きの小生を虜にするもので、昨今自宅では憚る故、尚更のこと追いかけてしまう。自宅でやっていた落ち葉焚きとは訳が違い、神社境内に立ち昇る火柱、煙は、秋の五穀豊穣に対する感謝の神事である。
勿論、祝詞や神楽などを伴い、参詣者にはみかんや饅頭などが授与される。数少なくなったが、習わしを守り庭燎(にわび)を焚いている町家もある。お火焚きは京都に残る独特の歳時記で、新嘗祭(にいなめさい)の一種であるといわれている。
宝珠の焼き印のついた漉し餡入りの紅白饅頭をお火焚き饅頭というらしい。
お供えのお下がりとして家々で配られていたらしいが、残念ながら小生の記憶には残っていない。
お稲荷さんのお火焚きは日本一のスケールだが、先週終わってしまった。
残念なことに行けなかったので、この後のお火焚きにはできるだけ多く参詣したいと思っている。とりわけ聖徳太子の命日に執り行われる広隆寺のお火焚きには、是非出かけたい。
というのは、その日に、秘仏とされている広隆寺本尊の聖徳太子像、宝物館の薬師如来像が開扉され、夢殿のような国宝桂宮院本堂も公開されると知ったからである。
今秋も、観光地や繁華街は行楽客で溢れ、京都を潤してくれている。
このシーズンは混雑を避け、地域の祭事、行事を見て歩くのが良い。
先人の残してくれた京都の奥深い資産に触れ,驚かされ、頭が下がり、あらためて京都にいて良かったと思うときである。
色づき始めている街々の街路樹を楽しみながら、紅葉狩り本番見頃の時期に思いを馳せ、しばしお火焚き巡りに参るまいか。きっと身も心も温まるだろう。
非公開文化財特別公開
http://www.kobunka.com/hikoukai2008aki.html
貴船神社
http://kibune.jp/jinja/index.html
伏見稲荷大社
http://inari.jp/index.html
御香宮神社
http://www.kyoto.zaq.ne.jp/gokounomiya/
京都ゑびす神社
http://www.kyoto-ebisu.jp/
城南宮
http://www.jonangu.com/
広隆寺
http://kaiwai.city.kyoto.jp/search/view_sight.php?ManageCode=1000064&InforKindCode=1
建勲神社
http://kaiwai.city.kyoto.jp/search/view_sight.php?InforKindCode=1&ManageCode=1000163
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
1日からの限られた日程なので、長期休暇でもとらない限り、休日だけでは全部は勿論、ただの一寺院ですら拝観し終えられないところもある。
勢いテーマを決めて拝観寺院を絞り込むことになる。
名勝庭園巡りや、「狩野か長谷川か」と、屏風襖絵巡りなどは旅行社の観光バスツアーにありそうなので、切り口を変えて龍をテーマに臨済宗寺院を巡るとか、そんなことを考えると実に面白いはずだ。
東寺五重塔初層内部、知恩院三門楼上内部、金戒光明寺山門二層内部、東福寺三門二層内陣を巡る「隠し部屋巡り」という思いつきは、我ながら気に入ったのだが、これは来春の楽しみ残し、結局のところ、「源氏物語ゆかりの地巡り」となった。
平凡そうだが、千年紀の節目の年ならではのことと悦にいっている。
拝観の都度、腕章を巻いたお嬢さんなどが、受付や文化財の説明をしてくれるのも有難い。
あまりに簡素な説明なので質問を投げかけてしまったが、戸惑う人がほとんどで、笑って「次までに勉強しといてね」という台詞を残すしかなかった。
繁忙期のことであり、付け焼き刃と言っては失礼だろうが、一通りの解説のみでおおむねは済むのであろう
結局のところ、協会の職員さんかと思い込んでいたが、学生バイトさんのようだったので致し方ないことである。
申し訳ないことをしたと恐縮している。
そこでふと思った。
京都検定の合格者の活躍の場に商工会議所は頭を痛めているようだが、文化財保存協会は、積極的なシステムとして、この合格者の方々の活用を考えても良いのではないだろうか。一石二鳥、否、三鳥もあるのではないか。
市内を巡っていると、この季節はついつい欲張りになってしまう。
文化財だけでも消化しきれないのに、「献菊 お火焚き もみじ狩り」とのお題目が、頭の中を駆け巡ってしまう。
菊で挙げると、咲いている期間が長いとはいえ、十一月の第2週・3週ともなると、西本願寺や植物園は盛りを過ぎているし、醍醐寺や泉涌寺も終盤を迎え、大覚寺の嵯峨菊に的が絞られてくる。
お火焚きでいうと、7日に貴船神社、8日に伏見稲荷大社が終わり、14日の新日吉神宮、15日の御香宮神社、 16日のゑびす神社、20日の城南宮、22日の広隆寺、23日の建勲神社など、記しきれないほどに市内の各氏神が控えている。
お火焚きは、焚き火好きの小生を虜にするもので、昨今自宅では憚る故、尚更のこと追いかけてしまう。自宅でやっていた落ち葉焚きとは訳が違い、神社境内に立ち昇る火柱、煙は、秋の五穀豊穣に対する感謝の神事である。
勿論、祝詞や神楽などを伴い、参詣者にはみかんや饅頭などが授与される。数少なくなったが、習わしを守り庭燎(にわび)を焚いている町家もある。お火焚きは京都に残る独特の歳時記で、新嘗祭(にいなめさい)の一種であるといわれている。
宝珠の焼き印のついた漉し餡入りの紅白饅頭をお火焚き饅頭というらしい。
お供えのお下がりとして家々で配られていたらしいが、残念ながら小生の記憶には残っていない。
お稲荷さんのお火焚きは日本一のスケールだが、先週終わってしまった。
残念なことに行けなかったので、この後のお火焚きにはできるだけ多く参詣したいと思っている。とりわけ聖徳太子の命日に執り行われる広隆寺のお火焚きには、是非出かけたい。
というのは、その日に、秘仏とされている広隆寺本尊の聖徳太子像、宝物館の薬師如来像が開扉され、夢殿のような国宝桂宮院本堂も公開されると知ったからである。
今秋も、観光地や繁華街は行楽客で溢れ、京都を潤してくれている。
このシーズンは混雑を避け、地域の祭事、行事を見て歩くのが良い。
先人の残してくれた京都の奥深い資産に触れ,驚かされ、頭が下がり、あらためて京都にいて良かったと思うときである。
色づき始めている街々の街路樹を楽しみながら、紅葉狩り本番見頃の時期に思いを馳せ、しばしお火焚き巡りに参るまいか。きっと身も心も温まるだろう。
非公開文化財特別公開
http://www.kobunka.com/hikoukai2008aki.html
貴船神社
http://kibune.jp/jinja/index.html
伏見稲荷大社
http://inari.jp/index.html
御香宮神社
http://www.kyoto.zaq.ne.jp/gokounomiya/
京都ゑびす神社
http://www.kyoto-ebisu.jp/
城南宮
http://www.jonangu.com/
広隆寺
http://kaiwai.city.kyoto.jp/search/view_sight.php?ManageCode=1000064&InforKindCode=1
建勲神社
http://kaiwai.city.kyoto.jp/search/view_sight.php?InforKindCode=1&ManageCode=1000163
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
5207-081111-11月
関連歳時/文化
お火焚き
お火焚き饅頭
新嘗祭(にいなめさい)
庭燎(にわび)
献菊
もみじ狩り
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