クリックでスライドショー
重陽(菊)の節句行事に、上賀茂神社や虚空蔵法輪寺では菊酒(菊花酒)が振舞われる。不老延寿の妙薬と伝わる菊の花が浮かぶ盃を飲み干し、無病息災を祝い、祈願する崇敬者が、節句行事の社寺に毎年集っている。
出向かなかったとしても、菊一輪を杯に浮かべ、花の色と香りを楽しみ、秋を感ずるのも風情というものである。大輪の菊なら花びらの二、三片を杯に散らすとよい。
菊の香りには、キリッとした辛口の日本酒がお似合いである。
9月9日の節句で菊酒をいただけば、次には中秋の名月に月見酒と思いが走る。
晩酌の習慣のない小生は、行事や時の肴に伴って、酒に口を濡らすことを楽しみにしている。
だからこそ、飲むときは、酒以外のコト、モノ、バ、ヒトが重要な要素となる。
月見酒となれば、菊酒のように浮かべるわけにいかない。
花見のように月見をしながら飲み干すのも悪くはないが、それだけでは芸がない。それなら、月見団子をいただきお茶を一服でも良いのである。
むしろ、大文字の送り火を杯に映し、飲み干す風情で、月を杯に映し、飲み干したい。
涼やかな風を受け、月の出を待ちながら酒を酌み交わす。ほろ酔い気分になった頃、ふと見上げれば月読が。
青い月の光が、飾られたススキの穂や荻の花、はたまた秋の七草に降り注ぐ。その光を浴びながら、持ち替えた大きな杯に酒を注ぎ、お月さんを捉える。
月が持つと伝わる不老不死の力、甦りの力を、杯いっぱいに溜めて、念じて飲み干す。
そんな信仰のような気分で、一献やるのもロマンがある。
中秋の 盃の月 飲み干して
こんな観月の宴を用意してくれるところはないもので、自宅の縁側に設えるのが手っ取り早いと、今まで俄か仕立てで賄っていた。
そこへ、鴨川月見酒(日本酒百景酔暦)という企画を見つけた。
昨年(2008/9/12〜)に第一景第一回を始めたようである。今年も行われる様子なので、是非出掛けようと思っている。(2009/9/1〜12)
その百景酔暦広報サイトに、「鴨川月見酒の魅力」が五点記されている。
其の一、鴨川納涼床で、京都が誇る伝統文化に浸れる。
其の二、中秋の名月で御月見をしながら、ほのかに涼が薫る孟秋を実感。
其の三、一流料理人が旬の食材を活かした料理で季節に舌鼓。
其の四、料理ごとに合わせた呑み比べで、日本酒を堪能できる。
其の五、参加者全員に特製酒器がもらえて、ちょっと嬉しい。
「名残の床」を「月見の床」へと、コンセプトのグレードアップが見事に果たせている点が素晴らしいと思う。仕事柄から「一本取られた」という評価さえしたい。
段取りも行き届いている。
全国の地酒が厳選され、料理にあう酒を料理人自らに推奨してもらい、酒器なども、この日のために陶芸家に作ってもらい、月見酒への三位一体のコラボレーションが図られている。
例えれば、完璧なまでの舞台美術、照明、小道具が用意された五感に訴える劇場である。
あとは、心あるキャストが、どう生かし、演じ、楽しみ、感動を自らが持ち帰るかである。単なる参加客ではなく、キャストとして楽しみにし、期待している。
秋は夏の間十分に寝かされた美味しい酒が出荷される季節であり、実りの秋の収穫が旬の食材として肴となる絶好の時でもある。
名月や 杯酌み交わし 夜は更けて
名月が雲に隠れても、秋は茄子焼酒に松茸酒もあることだ。
是非とも、この企画を名残の床の定番にしていって貰いたい。
中秋の名月を楽しむのは、勿論月見酒だけではない。京都には、観月のススメとなる行事や場所は多数ある。
情報誌のように羅列すると、
日本三大名月鑑賞地である大覚寺は大沢池の「観月の夕べ(10/2〜4)」を筆頭に、大津市石山寺の「秋月祭(10/2〜4)」、上賀茂神社の「賀茂観月祭(10/3)」、下鴨神社の「名月管弦祭(10/3)」、平野神社の「名月祭(10/3)」、神泉苑の「観月会(10/3)」、妙心寺退蔵院の「観月茶会(10/4)」、八坂神社の「観月祭(10/3)」、松尾大社の「観月祭(10/3)」など多数ある。
大文字の送り火なら、市内で見えない場所が多数だが、名月は戸外なら誰にも等しく姿を見せてくれている。それぞれに、観月のロケーションハンティングをなさるとよい。
お子さん連れで月見観賞なら、京都府立植物園「名月観賞の夕べ(10/3)」がお奨めである。
竹灯火約2000本で道案内されている夜の植物園が無料開放され、大きな夜空に仲秋の名月が観賞できる。大芝生地では、音楽演奏会、天体望遠鏡での名月観察会もある。
予算を気になさらない方なら、茶会や食事会がセットされた東伏見宮家別邸跡の料理旅館吉田山荘「お月見コンサート」(2009/10/2〜4)もある。
月見団子や秋草、里芋を供え、秋の満月の彩りを奏でる幻想的な観月会が催される。
「八月十五日」と書いて「なかあき」と読む苗字の方がいるらしい。
古より、「なかあき」とは旧暦八月十五日のことで、この日の月を「中秋の名月」と呼び習わし、風物詩としている。
中秋の名月となる満月を、太陰暦の月齢で計算すると、平成21年は新暦の10月3日が中秋で、天文観測での満月は翌4日となっている。
小生は、これで月見酒の夜を九月に一晩、十月に二晩持つことができる。
鴨川の床と、あとはどこに酒、杯が持ち込めるかが問題だ。
百景酔暦
http://yoigoyomi.jp/001kei_02/
こよみのページ
http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/reki_doc/doc_0710.htm
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
出向かなかったとしても、菊一輪を杯に浮かべ、花の色と香りを楽しみ、秋を感ずるのも風情というものである。大輪の菊なら花びらの二、三片を杯に散らすとよい。
菊の香りには、キリッとした辛口の日本酒がお似合いである。
9月9日の節句で菊酒をいただけば、次には中秋の名月に月見酒と思いが走る。
晩酌の習慣のない小生は、行事や時の肴に伴って、酒に口を濡らすことを楽しみにしている。
だからこそ、飲むときは、酒以外のコト、モノ、バ、ヒトが重要な要素となる。
月見酒となれば、菊酒のように浮かべるわけにいかない。
花見のように月見をしながら飲み干すのも悪くはないが、それだけでは芸がない。それなら、月見団子をいただきお茶を一服でも良いのである。
むしろ、大文字の送り火を杯に映し、飲み干す風情で、月を杯に映し、飲み干したい。
涼やかな風を受け、月の出を待ちながら酒を酌み交わす。ほろ酔い気分になった頃、ふと見上げれば月読が。
青い月の光が、飾られたススキの穂や荻の花、はたまた秋の七草に降り注ぐ。その光を浴びながら、持ち替えた大きな杯に酒を注ぎ、お月さんを捉える。
月が持つと伝わる不老不死の力、甦りの力を、杯いっぱいに溜めて、念じて飲み干す。
そんな信仰のような気分で、一献やるのもロマンがある。
中秋の 盃の月 飲み干して
こんな観月の宴を用意してくれるところはないもので、自宅の縁側に設えるのが手っ取り早いと、今まで俄か仕立てで賄っていた。
そこへ、鴨川月見酒(日本酒百景酔暦)という企画を見つけた。
昨年(2008/9/12〜)に第一景第一回を始めたようである。今年も行われる様子なので、是非出掛けようと思っている。(2009/9/1〜12)
その百景酔暦広報サイトに、「鴨川月見酒の魅力」が五点記されている。
其の一、鴨川納涼床で、京都が誇る伝統文化に浸れる。
其の二、中秋の名月で御月見をしながら、ほのかに涼が薫る孟秋を実感。
其の三、一流料理人が旬の食材を活かした料理で季節に舌鼓。
其の四、料理ごとに合わせた呑み比べで、日本酒を堪能できる。
其の五、参加者全員に特製酒器がもらえて、ちょっと嬉しい。
「名残の床」を「月見の床」へと、コンセプトのグレードアップが見事に果たせている点が素晴らしいと思う。仕事柄から「一本取られた」という評価さえしたい。
段取りも行き届いている。
全国の地酒が厳選され、料理にあう酒を料理人自らに推奨してもらい、酒器なども、この日のために陶芸家に作ってもらい、月見酒への三位一体のコラボレーションが図られている。
例えれば、完璧なまでの舞台美術、照明、小道具が用意された五感に訴える劇場である。
あとは、心あるキャストが、どう生かし、演じ、楽しみ、感動を自らが持ち帰るかである。単なる参加客ではなく、キャストとして楽しみにし、期待している。
秋は夏の間十分に寝かされた美味しい酒が出荷される季節であり、実りの秋の収穫が旬の食材として肴となる絶好の時でもある。
名月や 杯酌み交わし 夜は更けて
名月が雲に隠れても、秋は茄子焼酒に松茸酒もあることだ。
是非とも、この企画を名残の床の定番にしていって貰いたい。
中秋の名月を楽しむのは、勿論月見酒だけではない。京都には、観月のススメとなる行事や場所は多数ある。
情報誌のように羅列すると、
日本三大名月鑑賞地である大覚寺は大沢池の「観月の夕べ(10/2〜4)」を筆頭に、大津市石山寺の「秋月祭(10/2〜4)」、上賀茂神社の「賀茂観月祭(10/3)」、下鴨神社の「名月管弦祭(10/3)」、平野神社の「名月祭(10/3)」、神泉苑の「観月会(10/3)」、妙心寺退蔵院の「観月茶会(10/4)」、八坂神社の「観月祭(10/3)」、松尾大社の「観月祭(10/3)」など多数ある。
大文字の送り火なら、市内で見えない場所が多数だが、名月は戸外なら誰にも等しく姿を見せてくれている。それぞれに、観月のロケーションハンティングをなさるとよい。
お子さん連れで月見観賞なら、京都府立植物園「名月観賞の夕べ(10/3)」がお奨めである。
竹灯火約2000本で道案内されている夜の植物園が無料開放され、大きな夜空に仲秋の名月が観賞できる。大芝生地では、音楽演奏会、天体望遠鏡での名月観察会もある。
予算を気になさらない方なら、茶会や食事会がセットされた東伏見宮家別邸跡の料理旅館吉田山荘「お月見コンサート」(2009/10/2〜4)もある。
月見団子や秋草、里芋を供え、秋の満月の彩りを奏でる幻想的な観月会が催される。
「八月十五日」と書いて「なかあき」と読む苗字の方がいるらしい。
古より、「なかあき」とは旧暦八月十五日のことで、この日の月を「中秋の名月」と呼び習わし、風物詩としている。
中秋の名月となる満月を、太陰暦の月齢で計算すると、平成21年は新暦の10月3日が中秋で、天文観測での満月は翌4日となっている。
小生は、これで月見酒の夜を九月に一晩、十月に二晩持つことができる。
鴨川の床と、あとはどこに酒、杯が持ち込めるかが問題だ。
百景酔暦
http://yoigoyomi.jp/001kei_02/
こよみのページ
http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/reki_doc/doc_0710.htm
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
5250-090908-9月