
和歌山の南高梅を京都大原の紫蘇で3年間漬けた「自家製梅干」550円/1カップ。塩分20%は塩辛めだが、それゆえにカビには無縁。胡瓜のしば漬「加茂しば」に使う素材も、京都を主とする国産もの、1袋350円。瓜・茗荷・紫蘇が重なって香り高い。
千枚漬で名を馳せる「たかしん」。聖護院→かぶら→千枚漬。その連想が万人にメジャーだとしても、頑としてそれは冬の商品だ。いくら看板商品だろうと、どんなに欲しがろうと、ない季節にはない物である。だが夏には胡瓜のしば漬が爽やかだし、3年越しの梅干はいつも懐かしい味でそこにある。真面目に漬物を作るとはそういうことだ。気候に準じ、よけいな付加価値に便乗せず、素材が素直に発酵する手助けをすること。店の暖簾に伝わる教えは「見栄を張らんと味で勝負」、「漬ける時には楽しい気持ちで」。熟成しているのは、真っ直ぐな気持ちそのものなのだろう。
胡瓜を漬込む塩水は「鰻のタレと一緒。何度も足して使う」。長年かけて乳酸菌を豊富に含んだ水だ

聖護院本舗 たかしん
■京都市左京区聖護院
川原町13番地
TEL 075・771・5930
Open 9:00〜18:00/無休
http://www.cyu-ou.com/takasin/
【賞味期間】
梅干1年間
加茂しば 25日間
【保存方法】
梅干は常温
加茂しばは要冷蔵
5285-03091402-