常識を覆すバイタリティの味。
 大豆とにがりと水だけで、勝負

「服部食品」の おぼろ豆腐 by 月刊ClubFame 2003年9月号

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豆腐屋の息子として生まれた3代目・服部一夫氏。豆腐づくりに取り組み40年が過ぎた。試行錯誤は当たり前。夏の風物詩・からし豆腐を根底にからしを混ぜ込んだ豆腐も作りあげたし、14年前には豆腐アレンジを食べさせる創作系の一軒も開店させた。今も薄揚げを美味しく食べてもらうべく、採算ギリギリのいなり寿司に挑戦中だ。「おぼろ豆腐」は180円
 祖父の代より続く南禅寺御用達豆腐は確かに美味だ。けれど胡坐はかかない。服部一夫氏はそう考えた。「職人やから」と本人も笑う気質が物を言ったのが「おぼろ豆腐」だ。大豆は旨味を余韻に残すべく糖度の高いものを選び抜いた。製造は困難になるが味優先だ。次に目がむけられたのは唯一の添加物、消泡剤。工程中、必然的に大量発生する豆乳の泡を消す、目的はただそれだけ。「いらんもんはないほうがええ」と、火傷もしたし時間も掛かったが完成にこぎ着けた。そして今、さらに先を見る服部氏の視線に頼もしさを覚えつつ、京豆腐の新展開に舌鼓を打つのだ。



服部食品
はっとりしょくひん

京都市左京区黒谷町3
TEL 075・771・0114
Open 7:00〜12:00/無休
【賞味期間】4日間
【保存方法】冷蔵


5288-03091502-

関連歳時/文化
京のおもたせ
おぼろ豆腐

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