味気無くも、重たくも、ない。「住職」の焼く「クッキー」
京都にある寺社も菓子屋もその数は知れないが、信徒を訪ね、講話を開く謹直な住職でもあり、朝5時半の工房での作業に始まる菓子職人も務めるのは、この佐藤さんだけだろう。「人が菓子を食べながら和やかな顔になるのを見ているうちに、自分でもと」、京都の菓子店で技術を習い、店に並べ初めて40年以上がたつ。「筆墨の箱に入れてありますが」、「おめでたい名前を付けていますが」、不都合はないかと客の用途に気を遣うが、一見相対した二つの個性が受け入れられるのは、作り手と同じ様にその味わいに囚われなど必要ないからだろう。
松のめでたさと長寿の思いを名に込めた。
始めは自宅前での小さな商いだったが評判と共に数が増え、約20年前にこの店に移った
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