茂山狂言会 茂山千三郎さん
なるほど「御倉屋」も「三宝庵」も、商う店先から奥の工房を垣間見ることができる、そんな造りだ。加えて家族の手が回る範囲でだけ作り商う、そんな姿勢までもが共通する。「御倉屋さんを知ったのは、もう15年ほど前。頂いたお菓子が美味しかったので訪ねてみたのですが、美味しいのはもちろん店のすぐ奥で作ってはるのがわかるのも安心で」。時に自らのお茶請けに、時に贈りものに、頻度は高いという。「三宝庵さんは、実は甥の正邦から教えてもらったんです」。気持ちを込められる品々を知るべく「楽屋なんかでは、皆で情報交換も。美味しいと聞いたら実際足を運んで…」と、さりげない努力の戦利品だ。「おじゃこの炊いたんとか鯖寿司とか、生そのものではなくて、加工して食べるのが京都の得意技ですよね。この『花山椒』もそんな京都のよさが出た味だと」。その味は、家族総出で作り守られる。
作り上げる姿勢は隠すことなく、家族ならでは手の温もりが感じられる、菓子と佃煮。それは、一族が団結することで引き継がれ、全員が裏方となって作業も分担するという、茂山家のお豆腐狂言にも通ずるではないか。
最古のものは600年の時を経ているという面。「神鳴(かみなり)」の面は今夏の「TOPPA!」公演で使用されるもの。スケジュールは8月6日〜8日の3日間、1日2回の6回公演。押小路通富小路西入ルの大江能楽堂にて
茂山狂言会事務局 ■075・221・8371 http://www.soja.gr.jp/
「お豆腐のようにどんなところでも喜んでもらえる狂言を」という意味を込めて「お豆腐狂言」と銘打ち、その文化を代々伝える狂言師・茂山家。その一員である茂山千三郎氏は、もちろん生粋の京都人である。「仕事柄頂戴することが多いですが、やっぱり好きな物を頂くのは嬉しいものです。その為には僕の好みを知ってくださることが必要で、その相手を思う気持ちこそが『気持ちを伝える』ということなんでしょうね」。楽屋への差し入れなどで日々接する機会の多い「贈りもの」について、そう考える。一方、自分が贈る場合。「その品物をきちんと作っている姿が確認できて、その場に足を運ばなくては手に入れることができない。そんな品であれば、自分の気持ちを託せるし、伝わるのでは…と考えていますね」。
なるほど「御倉屋」も「三宝庵」も、商う店先から奥の工房を垣間見ることができる、そんな造りだ。加えて家族の手が回る範囲でだけ作り商う、そんな姿勢までもが共通する。「御倉屋さんを知ったのは、もう15年ほど前。頂いたお菓子が美味しかったので訪ねてみたのですが、美味しいのはもちろん店のすぐ奥で作ってはるのがわかるのも安心で」。時に自らのお茶請けに、時に贈りものに、頻度は高いという。「三宝庵さんは、実は甥の正邦から教えてもらったんです」。気持ちを込められる品々を知るべく「楽屋なんかでは、皆で情報交換も。美味しいと聞いたら実際足を運んで…」と、さりげない努力の戦利品だ。「おじゃこの炊いたんとか鯖寿司とか、生そのものではなくて、加工して食べるのが京都の得意技ですよね。この『花山椒』もそんな京都のよさが出た味だと」。その味は、家族総出で作り守られる。
作り上げる姿勢は隠すことなく、家族ならでは手の温もりが感じられる、菓子と佃煮。それは、一族が団結することで引き継がれ、全員が裏方となって作業も分担するという、茂山家のお豆腐狂言にも通ずるではないか。
最古のものは600年の時を経ているという面。「神鳴(かみなり)」の面は今夏の「TOPPA!」公演で使用されるもの。スケジュールは8月6日〜8日の3日間、1日2回の6回公演。押小路通富小路西入ルの大江能楽堂にて
茂山狂言会事務局 ■075・221・8371 http://www.soja.gr.jp/
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