和菓子の店ならどこでも「季節の菓子」を作る。だがその「季節」の捉え方はそれぞれだ。かつて氷の冷たさは、口や肌だけでなく透けた見た目から感じるものだった。それと同じく、夏の葛饅頭がある。ぷるっとした透明感、小さな気泡。葛に包まれ淡さを増す、餡の色合い。冷蔵庫に入れた冷たさを求めれば、葛は曇り目からの涼は白く霞んでしまう。ご主人が大切にするのは菓子の本来の意味。「変わったもの」や季節の先を走ることではない。
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