−心のもう一手間−木乃婦高橋拓児さんのおすすめ

　「生の洋菓子は大層に思われるから、饅頭みたいに手で摘める物を作りたかった」と言うご主人の北村さん。店の前から見える船山の絵柄を入れ舌にしっとりと噛むとふわふわあっとた小さなフィルムを開けると、たちまちチーズの香りがふわーっと上がり、食感に返ってくる。主客も給仕もなく、席を外すことも、待つこともない。皆一様に頬張って笑顔を零す。店名に込めた「団欒をより楽しくする菓子づくり」の思いはここにもう叶っている。