祇園祭が幕を下ろす7月31日の夜半京都を守護する愛宕山に登り、8月1日早朝にかけて詣でると千日分の火伏・防火の御利益があると云われ、3歳までに詣でると一生火事に遭わないと伝えるのが、愛宕山千日詣である。
大文字の送り火を代表とした京の夏の火の祭典は、大覚寺の「宵弘法」しかり、花背などの「松上げ」しかり、京の夜空を焦がしている。いづれも盆入り後の伝統行事である。
ところが盆前にも、京の夏の火の祭典 として捉えられるものがあった。
狸谷不動院の「火渡り祭」は夏越祓いとして行われ、紫灯護摩供が火柱を立て本堂を炎で染め圧巻である。
そして、愛宕山千日詣の山頂で焚かれる護摩木の護摩壇である。
残念なことに、愛宕山山頂で焚かれる護摩供は、未だ見たことがない。
今年こそは今年こそはと思いながらも、千日詣の火伏せの神に詣でられないでいる。
山道と通夜を克服することが億劫になっているのか、火伏せのご利益 を切望していないのか、恥ずかしい限りである。
そこで、来年こそはと下調べしたものを、取りまとめてみた。
まず、愛宕山への登山口である。
大まかに分けて表参道男坂と呼ばれる清滝、裏参道女坂の水尾、周山街道愛宕道バス停からの裏愛宕参道とも呼ばれる「愛宕道」の3ヶ所で、櫁原(しきみがはら)をいれると4ヶ所がある。
大方の人は男坂を往復する。他の二つは最寄り駅から片道3時間以上はかかるからで、少々勾 配はきついが片道2時間位の男坂が選ばれるようだ。但し、この時間は個人差が甚だしく、どうやら2時間は健脚な人の場合であろう。
勿論、何回目かの経験者となると、男坂と女坂、愛宕道から男坂などと年毎に組み合わせを替え、詣でられる方もいる。
ブログなどで、道中を撮られた写真を見る限り、それぞれの景色と参道の様子が違うので、各々のコースを一度は体験しておいた方が良さそうである。
京都で一番高い標高924 mの愛宕山に詣でるには、準備が肝要なようだ。
足元はスニーカーで充分間に合うが、ぐっしょりと汗をかくので、山頂と下山後の着替えのシャツを2枚用意し、タオル三枚、おにぎり三個、ペットボトル三本と一緒にリュックサックに詰め、杖と懐中電灯を手にするのを標準装備にすると良いと聞く。
そして、忘れてならないのは、授かったお札を持ち帰る箱やシートだという。
折角授かったお札が下山して見ると、くしゃくしゃになっ ていたことを悔いている方がいたからである。気がつかぬ大事なことだ。
あとは、各々に応じて、頭痛薬や湿布薬、虫除けスプレー、合羽なども用意するのは、小旅行と同じに考えれば良さそうである。
さて、男坂清滝から登るとすると、車は止めたほうがよい。
普段なら、清滝トンネルを抜けると駐車場が使えるが、この日は交通規制もあり、朝早くとも駐車場が使えることは無理と考え、嵐山に駐車場を確保し、清滝までのピスト ンバスを利用するのが懸命だという。
清滝のバス停(駐輪場)から道が二手に分かれていて、下に降りていき清滝川の猿渡り橋を渡り、数分で愛宕山登り口である二の鳥居に着けるからである。
左右に登り口の案内があがり、左が表参道で「愛宕神社参詣表登山道約四キロ余」、右に「愛宕山登山道約七キロ半」と記され、これを左にとると二の鳥居がくぐれ、あとは一本道で、だだ登るのみだ。
アスファルトの坂道から石段に変わり 、参道4.2キロの間には約100メートルおきに40枚の標識が立てられているから、山頂までの励みになるようだ。
分母が40、分子が山頂までの残りの数である。
最初の階段地獄の急勾配を登ると早々と「お助け水」がおちているが、まだまだ用はなく下山の時に救われる水だという。
山頂までは水も自動販売機もないので、空いたボトルなどあれば水を詰めておくと良いらしい。
そして、巾や段差の異なる石段や丸太組み の不規則な階段を登っていくと、雷で焼け焦げた跡のある空洞の大きな杉が見える。平野屋のある一の鳥居から17丁目のその杉が大杉神社のご神体である。ご神体の前に祠や石碑が並んでいる昼間の写真を見た。
参道が踏み固められた地道に変わり、裸電球が灯されているが先は見えず、懐中電灯は必需品であるという。
途中に屋根のついた休憩小屋が四箇所あるようだが、腰を下ろし息を整える場所で、トイレなどはない。
辺りは 暗くなるが参道はたくさんの人で、参詣を済ませ下山の人は「おのぼりやーす」と、登る人は「おくだりやーす」と応え、励ましあうのが習わしだとある。
「おのぼりやーす」と声を掛けるほうが、少々の優越感を感じるらしい。
更に、杉木立に包まれた緩やかな登り坂を上がり五合目を過ぎると、朱の柵で囲まれた大杉大神がある。
一時間半ほどすると七合目の休憩所に差し掛かり、初めて市内を見渡せるポイントがある。ここで京都タ ワーが確認できると、下山したかった気持ちは失せ、山頂まで挑む気持ちが蘇るようだ。
そして水尾別れの地点で、最後の休憩小屋があり、右に上がると黒門が見える。
もうその先は愛宕神社境内のようだ。
黒門を潜って10分ほどで山頂広場に着き、右側には登山を労うように京都市内一望の景色が迎えてくれるらしい。
そのあと、最後の難関である神社奥の院までの石段を上ることとなるようだ。
石段両脇は穏やかに明る く、続いて献灯が連なって吊るされ、愛宕の神さんが歓迎してくれているように感じるらしい。
ここで、この日にしか授かれない「火迺要慎(ひのようじん)」のお札を授与されるのである。
午後9時には夕御饌祭(ゆうみけさい)で、山伏によるゴマ焚き神事あり、愛宕山は燃え、翌朝8月1日午前2時には朝御饌祭(あさみけさい)で、人長の舞奉奏、鎮火神事があるという。
この件こそは、千日詣に詣でてから記すことにせねばなるまい。
大文字の送り火を代表とした京の夏の火の祭典は、大覚寺の「宵弘法」しかり、花背などの「松上げ」しかり、京の夜空を焦がしている。いづれも盆入り後の伝統行事である。
ところが盆前にも、京の夏の火の祭典 として捉えられるものがあった。
狸谷不動院の「火渡り祭」は夏越祓いとして行われ、紫灯護摩供が火柱を立て本堂を炎で染め圧巻である。
そして、愛宕山千日詣の山頂で焚かれる護摩木の護摩壇である。
残念なことに、愛宕山山頂で焚かれる護摩供は、未だ見たことがない。
今年こそは今年こそはと思いながらも、千日詣の火伏せの神に詣でられないでいる。
山道と通夜を克服することが億劫になっているのか、火伏せのご利益 を切望していないのか、恥ずかしい限りである。
そこで、来年こそはと下調べしたものを、取りまとめてみた。
まず、愛宕山への登山口である。
大まかに分けて表参道男坂と呼ばれる清滝、裏参道女坂の水尾、周山街道愛宕道バス停からの裏愛宕参道とも呼ばれる「愛宕道」の3ヶ所で、櫁原(しきみがはら)をいれると4ヶ所がある。
大方の人は男坂を往復する。他の二つは最寄り駅から片道3時間以上はかかるからで、少々勾 配はきついが片道2時間位の男坂が選ばれるようだ。但し、この時間は個人差が甚だしく、どうやら2時間は健脚な人の場合であろう。
勿論、何回目かの経験者となると、男坂と女坂、愛宕道から男坂などと年毎に組み合わせを替え、詣でられる方もいる。
ブログなどで、道中を撮られた写真を見る限り、それぞれの景色と参道の様子が違うので、各々のコースを一度は体験しておいた方が良さそうである。
京都で一番高い標高924 mの愛宕山に詣でるには、準備が肝要なようだ。
足元はスニーカーで充分間に合うが、ぐっしょりと汗をかくので、山頂と下山後の着替えのシャツを2枚用意し、タオル三枚、おにぎり三個、ペットボトル三本と一緒にリュックサックに詰め、杖と懐中電灯を手にするのを標準装備にすると良いと聞く。
そして、忘れてならないのは、授かったお札を持ち帰る箱やシートだという。
折角授かったお札が下山して見ると、くしゃくしゃになっ ていたことを悔いている方がいたからである。気がつかぬ大事なことだ。
あとは、各々に応じて、頭痛薬や湿布薬、虫除けスプレー、合羽なども用意するのは、小旅行と同じに考えれば良さそうである。
さて、男坂清滝から登るとすると、車は止めたほうがよい。
普段なら、清滝トンネルを抜けると駐車場が使えるが、この日は交通規制もあり、朝早くとも駐車場が使えることは無理と考え、嵐山に駐車場を確保し、清滝までのピスト ンバスを利用するのが懸命だという。
清滝のバス停(駐輪場)から道が二手に分かれていて、下に降りていき清滝川の猿渡り橋を渡り、数分で愛宕山登り口である二の鳥居に着けるからである。
左右に登り口の案内があがり、左が表参道で「愛宕神社参詣表登山道約四キロ余」、右に「愛宕山登山道約七キロ半」と記され、これを左にとると二の鳥居がくぐれ、あとは一本道で、だだ登るのみだ。
アスファルトの坂道から石段に変わり 、参道4.2キロの間には約100メートルおきに40枚の標識が立てられているから、山頂までの励みになるようだ。
分母が40、分子が山頂までの残りの数である。
最初の階段地獄の急勾配を登ると早々と「お助け水」がおちているが、まだまだ用はなく下山の時に救われる水だという。
山頂までは水も自動販売機もないので、空いたボトルなどあれば水を詰めておくと良いらしい。
そして、巾や段差の異なる石段や丸太組み の不規則な階段を登っていくと、雷で焼け焦げた跡のある空洞の大きな杉が見える。平野屋のある一の鳥居から17丁目のその杉が大杉神社のご神体である。ご神体の前に祠や石碑が並んでいる昼間の写真を見た。
参道が踏み固められた地道に変わり、裸電球が灯されているが先は見えず、懐中電灯は必需品であるという。
途中に屋根のついた休憩小屋が四箇所あるようだが、腰を下ろし息を整える場所で、トイレなどはない。
辺りは 暗くなるが参道はたくさんの人で、参詣を済ませ下山の人は「おのぼりやーす」と、登る人は「おくだりやーす」と応え、励ましあうのが習わしだとある。
「おのぼりやーす」と声を掛けるほうが、少々の優越感を感じるらしい。
更に、杉木立に包まれた緩やかな登り坂を上がり五合目を過ぎると、朱の柵で囲まれた大杉大神がある。
一時間半ほどすると七合目の休憩所に差し掛かり、初めて市内を見渡せるポイントがある。ここで京都タ ワーが確認できると、下山したかった気持ちは失せ、山頂まで挑む気持ちが蘇るようだ。
そして水尾別れの地点で、最後の休憩小屋があり、右に上がると黒門が見える。
もうその先は愛宕神社境内のようだ。
黒門を潜って10分ほどで山頂広場に着き、右側には登山を労うように京都市内一望の景色が迎えてくれるらしい。
そのあと、最後の難関である神社奥の院までの石段を上ることとなるようだ。
石段両脇は穏やかに明る く、続いて献灯が連なって吊るされ、愛宕の神さんが歓迎してくれているように感じるらしい。
ここで、この日にしか授かれない「火迺要慎(ひのようじん)」のお札を授与されるのである。
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