八月葉月と言えば「お盆休み」がある。どうしてお盆が休みなのか。
お盆とはどういうことで、何をする日なのか。
あらためて質問してしまいたくなることがしばしばある。
勿論「大文字さん」は京都の花火大会でないことは解っているだろうが、まず観光行事として楽しみにされているようだ。
「大文字さん」は「送り火」のことで、元来お盆に戻ってきた先祖の精霊を送るために灯りを点す宗教行事である。
京都では先祖の精霊のことを「お精霊(しょらい)さん」と呼び、お盆と言えば「お精霊(しょらい)さんが帰ってくる」と言う。
土葬の風習の頃は、亡骸(なきがら)の手足を折り座棺にして埋葬していた。
その昔の呪術的土着信仰では、この死者の霊は自然の中で生き続けていると信じられている。「ご先祖さんが草葉の陰から・・・」という言い回しは、その名残であることが容易に想像できる。
そして、草葉の陰は、仏教、道教の伝来により、浄土や天界へと変遷し信仰されている。
お盆は、あの世から「お精霊さん」が各家庭に戻り、家族や子孫と過ごし、西方浄土に帰って行く間のことである。従って、普段逢えないご先祖さんと過ごすための休みがお盆休みと言うことになる。
さて、お精霊さんは12日夜半には戻ってこられる。どの道を通って行き来されるかをご存じだろうか。
盂蘭盆会(うらぼんえ)の行事では、「六道まいり」という「お精霊(しょらい)さん」のお迎えが8月7日から行われる。また、この時期から各寺院では提灯に灯りをともす「万灯会」がはじまる。
大の文字が灯る「六波羅蜜寺の万灯会(8/8)」や無数の灯篭で金色堂となる「壬生寺の万灯会(8/9)」などは、「迎え火」と呼ばれるひとつとなっている。
その灯りを頼りに出入りされるところは各地にある。
京都でのあの世とこの世の境界は「六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)」と「千本閻魔堂(せんぼんえんまどう)」である。いづれの寺院の付近にも古くからの野辺送りの地である「鳥辺野」と「紫野蓮華谷」があり、先祖の霊を迎える場所として信仰されている。
十万億土の冥土まで響き渡ると言われている「迎え鐘」をつき、水塔婆(珍皇寺)や戒名を記した経木(閻魔堂)を納め、水掛けに使った槙(まき)の葉を持ち帰るのだ。「お精霊さん」はこの「槙の葉」に乗って家に戻られると言う。
1200年続く「迎えの鐘」は、6つの迷界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上界)のどこにいるお精霊さんであっても、観音菩薩の加護により各々の家に戻してくれる鐘である。是非撞いて貰いたい。
六道珍皇寺の鐘は目には見えず、縄だけが祠の戸から出ている。それを手前に引いて十万億土の冥土までの鐘を鳴らすので、「鐘を引く」と言った方がよさそうだ。
六道珍皇寺には、毎夜閻魔大王の書記官を勤めていた平安貴族の小野篁(たかむら)が冥土通いに使ったといわれる伝説の古井戸が残る。この古井戸を「お精霊さん」も使っているのであろうか。残念ながらお盆期間は公開されていない。
しかし、せめて千金に値する地獄絵をご覧になって、お盆ぐらいは先祖への礼拝準備、感謝でのお迎えに備えられることが賢明では。
六道珍皇寺
http://www.rokudou.jp/
六波羅蜜寺
http://rokuhara.or.jp/
千本閻魔堂
http://yenmado.blogspot.jp/
壬生寺
http://www.mibudera.com/
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
お盆とはどういうことで、何をする日なのか。
あらためて質問してしまいたくなることがしばしばある。
勿論「大文字さん」は京都の花火大会でないことは解っているだろうが、まず観光行事として楽しみにされているようだ。
「大文字さん」は「送り火」のことで、元来お盆に戻ってきた先祖の精霊を送るために灯りを点す宗教行事である。
京都では先祖の精霊のことを「お精霊(しょらい)さん」と呼び、お盆と言えば「お精霊(しょらい)さんが帰ってくる」と言う。
土葬の風習の頃は、亡骸(なきがら)の手足を折り座棺にして埋葬していた。
その昔の呪術的土着信仰では、この死者の霊は自然の中で生き続けていると信じられている。「ご先祖さんが草葉の陰から・・・」という言い回しは、その名残であることが容易に想像できる。
そして、草葉の陰は、仏教、道教の伝来により、浄土や天界へと変遷し信仰されている。
お盆は、あの世から「お精霊さん」が各家庭に戻り、家族や子孫と過ごし、西方浄土に帰って行く間のことである。従って、普段逢えないご先祖さんと過ごすための休みがお盆休みと言うことになる。
さて、お精霊さんは12日夜半には戻ってこられる。どの道を通って行き来されるかをご存じだろうか。
盂蘭盆会(うらぼんえ)の行事では、「六道まいり」という「お精霊(しょらい)さん」のお迎えが8月7日から行われる。また、この時期から各寺院では提灯に灯りをともす「万灯会」がはじまる。
大の文字が灯る「六波羅蜜寺の万灯会(8/8)」や無数の灯篭で金色堂となる「壬生寺の万灯会(8/9)」などは、「迎え火」と呼ばれるひとつとなっている。
その灯りを頼りに出入りされるところは各地にある。
京都でのあの世とこの世の境界は「六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)」と「千本閻魔堂(せんぼんえんまどう)」である。いづれの寺院の付近にも古くからの野辺送りの地である「鳥辺野」と「紫野蓮華谷」があり、先祖の霊を迎える場所として信仰されている。
十万億土の冥土まで響き渡ると言われている「迎え鐘」をつき、水塔婆(珍皇寺)や戒名を記した経木(閻魔堂)を納め、水掛けに使った槙(まき)の葉を持ち帰るのだ。「お精霊さん」はこの「槙の葉」に乗って家に戻られると言う。
1200年続く「迎えの鐘」は、6つの迷界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上界)のどこにいるお精霊さんであっても、観音菩薩の加護により各々の家に戻してくれる鐘である。是非撞いて貰いたい。
六道珍皇寺の鐘は目には見えず、縄だけが祠の戸から出ている。それを手前に引いて十万億土の冥土までの鐘を鳴らすので、「鐘を引く」と言った方がよさそうだ。
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http://yenmado.blogspot.jp/
壬生寺
http://www.mibudera.com/
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
5151-150806-8/7
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