新春祇園めぐり(その1)
 〜お屠蘇気分でヴァーチャル散策〜

【言っておきたい古都がある・30】 by 谷口 年史

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 みなさん、あけましておめでとうございます。
 京都ミステリー紀行の谷口年史です。
 旧年中は私の連載を読んでいただき、ありがとうございました。
 今年もよろしくお願いいたします。

 さて、初春一発目は鹿爪らしい話題は避けて華やかに行きたいものである。
 そこで(ちょっとベタではあるが)祇園のヴァーチャル散策と洒落込もう。

 ただし、その前におさらい。
 京都の花街といえばそのシンボルマークを描いた提灯である。
 一番有名な祇園甲部は団子が提灯を一周している。
 団子がシンボルであるということで、お茶屋というのはお茶と団子を出す店から発達したのだなと分る。きっとそうだ。

 同じ団子でも祇園東になると丸い輪を作っている。
 まあ、物事は丸くおさまるのが良いものであるから。
 
 宮川町は輪が三つ。昔のミツワ石鹸のコマーシャルみたいだ。
「ワワワ〜、輪が三つ。ワワワ〜、輪が三つ、ミツワ〜石鹸」

 一転して先斗町は都千鳥。
 よくみればユーモラスなシンボルマークである。
 みんな飛んでいくのかな。お金も恋も飛んでいく?

 上七軒祇園甲部と同じだが色が反転している。
 ここのシンボルマークは2本の団子が下のほうで交差しているやつかと思ったら、また別なのだそうだ。このあたりは中々難しい。

 さて、それでは歩いてみよう。

 八坂神社の前の信号を渡ると祇園会館(現よしもと祇園花月)がある。その北側を西に入ればもうすぐ祇園東である。
 ここに観亀神社がある。
 普通「かんき」というと「歓喜」を連想するが、ここは字が違う。「観光」の観に「亀」なのである。
 
 江戸時代、ここには膳所藩の屋敷があった。その建築中にどこからともなく一匹の亀が現れて建築現場をじっと見ていたという。それを聞いたお殿様が「昔から鶴は千年亀は万年」と言ってめでたいことだと感激し、亀を祀るお社を建てたのだとか。
 昨年、お化粧直しがあり、奇麗になった。祇園東のシンボルとして盛り立てて行こうという地元の心意気だろう。
 花見小路だけが祇園ではないのである。

 神社の近くには祇園の火の見櫓。といってもレプリカである。レプリカとはいえ大きいが。
 先ほど紹介した膳所藩というのは火消し役を仰せつかっていた。「幕府からの大事なお役目」とお殿様はハッスルしたのか、藩邸の敷地内に自前の火の見櫓を建ててお役に励んでいたのである。

 ところが66年後。。。嗚呼。。。想定外の事態が起きたのであった。まさに「神ならぬ身の知る由もなかった」

 で、何が起きたかは来週に続く。


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