地獄八景へようこそ(その4)
 〜地獄の底にあるものは?〜

【言っておきたい古都がある・45】 by 谷口 年史

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 さて、京都ミステリー紀行・冥界編のオプショナルツアー、地獄めぐりもいよいよ底にやって来た。
 皆さんを待ち受けているものは何であろうか。
 ゆっくり見学していただきたい。
 例によって、松原通の名所は地獄とは関係ない。

地獄八景観光ガイド
 第7景は大焦熱地獄

 ここには強姦をした者が行く。とくに尼さんを犯したらここに行かされる。
 女でも男を食い物にする悪女はここに行くのである。
 前回の焦熱地獄だけでも凄かったのに、その上に「大」が付くとどうなるのか。
 
 ここではまず、他の死者がどのような責め苦を負わされているか、じっくりと見学させられる。目をそむけることは出来ない。
「次はお前がああなるねんで〜」とおぞましい光景を瞼の裏にじっくりと焼き付けてから、本番に移るのですね。
 
 で、いよいよ本番。

 皆さんはまず炎の中に放り込まれる。
 その炎というのが広さ2000キロ四方、高さ5000キロメートル。もう太陽並みですね。熱いですよ〜。
 この炎の中からは出ることが出来ない。何時までたっても焼きあがることはなく、延々と焼かれたまんま。何時終るともなく、焼かれ続けるのだ。
 
 さらに清純な乙女を強姦した者は、まず頭から皮をピーッ、と剥がれる。全身の皮が剥がされて真っ赤ッかにされて、鉄板の上で焼かれるのである。
 
 ジューッ、ジュジュジュジュジュ、と焼き加減はレアかな?ミディアムかな?ウェルダンかな? 

 と、このように焼かれて仕上げにソースがかけられる。
 このソースというのがドロドロに溶けた鉄なのだな。
 焼きあがった皆さんの身体に溶けた鉄がドボドボドボドボとかけられる。熱いですよ〜。
 もちろん、出来上がりの後は再び元に戻ってもう1度皮を剥がれて。。。と、何時までも何時までも続くのである。
 行きたくありませんねえ。

 ここまででもかなりエゲツナイですが、地獄はまだもうひとつ残っている。
 イッヒッヒ〜。

【こちらは現世】


 中々古そうで味わいのある看板ですが、文字が左から右に書いてあるので比較的新しい看板だというのが分かる。しかし、これも木の看板、歳月の流れによって深みが出ている。プラスチックの看板ではこうは行きません。

 明王院不動寺という真言宗のお寺ですが、扁額に「南岩倉」と書いてある。「岩倉」というのは平安京を作ったとき、四方の岩蔵に経文を埋めたのでその名がついた。
 実相院のある岩倉も、個々から考えると「北岩倉」になるのかな。
 東と西は何処だろう?







 松原橋から鴨川を見渡す。写真がボケていて絵のようになってしまった。これはこれでいいかも。


地獄八景観光ガイド
 第8景は阿鼻地獄

 とうとう地獄も最下層まで来てしまった。これより下はありません。どん底の地獄である。
 ここは阿鼻地獄はまたの名を無間地獄とも言う。

 ここには罪を犯しているという自覚のない罪を犯したものが行く。特に破戒僧が行きます。
 この世で豪遊する生臭坊主も死んだらここで帳尻を合わせることになるのだ。悪事を悪事とも思っていない輩は全てこの地獄に落ちて行く。

 何が凄いといっても、頭からまっ逆さまにこの地獄へと落ちて行って、ドスンと落ちて着地するまでに2000年かかる。
 気の遠くなるほど長い間、落下を続けることになる。奈良時代の悪党でここへ落とされた奴は、何とまだ到着していない。それほど長い間、落下が続くということ。
 
 ようやく落下が終って地面に落ちると、お出迎えがある。誰が出迎えるのかというと、犬と鬼とその他の虫たちです。
 
 地獄の犬には稲妻のような目と剣のような牙がある。そして全身の毛穴から火を噴いているという。
 
 鬼は64個の目と長さ40キロの牙を持ち、頭と手は8つづつあって、角は18本ある。
 
 他に8万4000匹の鉄の大蛇と500億匹の虫たちが待ち受けている。
 
 この地獄で繰り広げられる責め苦はおぞましすぎてここでは書くことが出来ない。気になる方はここへ行ってもらうしかない。それほど恐ろしい地獄なのだ。
 行きたくありませんね。

 これで地獄八景の全てをご紹介した。地獄めぐりは終っても、「冥界編ハイライト」はまだもう少し続きます。

 ええ〜何処いくの!? と思われたことでしょう。

 ふふふ、それは次回のお楽しみ。
  

5510-250416-

関連歳時/文化
地獄八景
大焦熱地獄
阿鼻地獄
無間地獄
破戒僧

関連施設/場所
下京区石不動之町
明王院不動寺
南岩倉
実相院
北岩倉

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