さて、八坂の塔から高台寺へと抜ければ霊山観音がある。昭和30年に松下幸之助の肝いりで建立されたものだが、有り難味が有る様な無い様な。人それぞれの好み次第だろう。
神社やお寺で芸能の奉納があるのは珍しくないが、この日は珍しくフラダンスの奉納をしていた。ベリーダンスのような踊りも組み合わせて、トータルで30分近くあったのではないか。見学者の中には思わず「かぶりつき」に寄って行き、両手合わせて「まんまんちゃんあん」をする人。。。はいませんでした。
別にこんな奉納を毎日やっているわけではないので勘違いなさらないように。
高台寺といえば今ではライトアップですっかり有名になってしまった。「通」の方ならあの恐るべき行列をご存じだろう。
ご多分に漏れず「儲けている」と眉をひそめる人もいるのだが、あれは最初からそんなに儲かっていたわけではない。
平安建都1200年に絡んだ行事だった様だが、初めてやった時は2千万円(!?)の赤字だったそうである。もちろん、最初の時は設備投資がいるので何千万円という数字も不思議ではない。
お寺としてはやめたかったらしいが周辺のお店やタクシーの運転手から「やってくれ」という要望があった。やはり人が集まったおかげで結構な実入りがあったらしい。
そこでお寺としても2回目の開催に踏み切った。
しかし、赤字。
今度こそやめよう、との判断があったけれども、またも周りからの懇願を受けて実施。
3回目にしてようやく黒字が出たという。
その後の結果があの行列である。
一昨年だったか、高台寺は竹林の一部を伐採してそれまで境内から見えないようにしていた霊山観音を見えるようにした。借景として取り込んだのである。
もっとも、お庭からはモロに見えていたので現状を追認しただけかもしれない。
その高台寺のお庭だが、ここの庭は変化するのである。一定不変ではないのだ。おおむね春と秋のシーズンで作り変える。昨年は辰年ということで龍であった。しかも春と秋で作り変えるという凝り様である。リピーターを狙っているのだな。
8月の百鬼夜行ではライトアップのときにこのお庭に百鬼夜行をスライドで映し出す。臨済宗のお寺で百鬼夜行というのは教義に反するのではないかと思うのだが、そこは日本、固い事は言わずに、大らかなのだ。
高台寺で特筆しておかねばならないのは、高台になっている高台寺公園だが、あの高台の下は全て貯水タンクになっているのである。
寺の周辺は道が狭く、火事になっても消防車がすぐには入ってこれない。
そこで文化財を守るため、高台部分を貯水タンクにして万一の時はここに貯えた水で初動の消火活動をするのである。
同様の地下貯水タンクは清水寺にもある。
高台寺公園の前から石塀小路に入る。
ここ石塀小路は外国人にも人気のスポット。やはり「京都らしさ」が受けるのだろう。
石塀小路を抜ければすぐに八坂神社の正門である。
え? ここが?
と思われるかもしれないが、正門はこちら。四条通りに面した赤い奇麗な立派なものは「西門」なのである。
八坂神社を抜けて丸山公園に入る。
♪月はおぼろに東山♪といえば有名な「祇園小唄」だが、写真は円山公園にある「祇園小唄」の碑。読みやすいように色がつけてあるが、やっぱり読みにくいかも。
それにしても、昭和5年(1930)の歌が今でも歌い継がれているというのは凄い。
作詞・長田幹彦、作曲・佐々紅華、唄・藤本二三吉。
1番から4番までで春夏秋冬の心情を謳い上げる構成も秀逸だし、分かりやすい言葉だけで格調の高さを出しているのも名作の名作たるゆえんだろう。
さてさて、この原稿を書いている今も「祇園小唄」の4番のように「火影つめたく小夜ふけて」きている。
新春祇園めぐりはこれでお開きとしよう。
神社やお寺で芸能の奉納があるのは珍しくないが、この日は珍しくフラダンスの奉納をしていた。ベリーダンスのような踊りも組み合わせて、トータルで30分近くあったのではないか。見学者の中には思わず「かぶりつき」に寄って行き、両手合わせて「まんまんちゃんあん」をする人。。。はいませんでした。
別にこんな奉納を毎日やっているわけではないので勘違いなさらないように。
高台寺といえば今ではライトアップですっかり有名になってしまった。「通」の方ならあの恐るべき行列をご存じだろう。
ご多分に漏れず「儲けている」と眉をひそめる人もいるのだが、あれは最初からそんなに儲かっていたわけではない。
平安建都1200年に絡んだ行事だった様だが、初めてやった時は2千万円(!?)の赤字だったそうである。もちろん、最初の時は設備投資がいるので何千万円という数字も不思議ではない。
お寺としてはやめたかったらしいが周辺のお店やタクシーの運転手から「やってくれ」という要望があった。やはり人が集まったおかげで結構な実入りがあったらしい。
そこでお寺としても2回目の開催に踏み切った。
しかし、赤字。
今度こそやめよう、との判断があったけれども、またも周りからの懇願を受けて実施。
3回目にしてようやく黒字が出たという。
その後の結果があの行列である。
一昨年だったか、高台寺は竹林の一部を伐採してそれまで境内から見えないようにしていた霊山観音を見えるようにした。借景として取り込んだのである。
もっとも、お庭からはモロに見えていたので現状を追認しただけかもしれない。
その高台寺のお庭だが、ここの庭は変化するのである。一定不変ではないのだ。おおむね春と秋のシーズンで作り変える。昨年は辰年ということで龍であった。しかも春と秋で作り変えるという凝り様である。リピーターを狙っているのだな。
8月の百鬼夜行ではライトアップのときにこのお庭に百鬼夜行をスライドで映し出す。臨済宗のお寺で百鬼夜行というのは教義に反するのではないかと思うのだが、そこは日本、固い事は言わずに、大らかなのだ。
高台寺で特筆しておかねばならないのは、高台になっている高台寺公園だが、あの高台の下は全て貯水タンクになっているのである。
寺の周辺は道が狭く、火事になっても消防車がすぐには入ってこれない。
そこで文化財を守るため、高台部分を貯水タンクにして万一の時はここに貯えた水で初動の消火活動をするのである。
同様の地下貯水タンクは清水寺にもある。
高台寺公園の前から石塀小路に入る。
ここ石塀小路は外国人にも人気のスポット。やはり「京都らしさ」が受けるのだろう。
石塀小路を抜ければすぐに八坂神社の正門である。
え? ここが?
と思われるかもしれないが、正門はこちら。四条通りに面した赤い奇麗な立派なものは「西門」なのである。
八坂神社を抜けて丸山公園に入る。
♪月はおぼろに東山♪といえば有名な「祇園小唄」だが、写真は円山公園にある「祇園小唄」の碑。読みやすいように色がつけてあるが、やっぱり読みにくいかも。
それにしても、昭和5年(1930)の歌が今でも歌い継がれているというのは凄い。
作詞・長田幹彦、作曲・佐々紅華、唄・藤本二三吉。
1番から4番までで春夏秋冬の心情を謳い上げる構成も秀逸だし、分かりやすい言葉だけで格調の高さを出しているのも名作の名作たるゆえんだろう。
さてさて、この原稿を書いている今も「祇園小唄」の4番のように「火影つめたく小夜ふけて」きている。
新春祇園めぐりはこれでお開きとしよう。
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