商売繁盛の神様、伏見稲荷の裏参道に新興宗教の拠点がある。新興宗教と言うとどうも「胡散臭い」感じが付きまとうのだろうか、敬遠する人も多い。社会的に大きな事件を起こしたり、高額な「縁起物商品」を販売したりという事件が週刊誌などを賑わせば「触らぬ神に祟りなし」とばかり、離れたくなるのも当然だろう。
それでも全部が全部胡散臭いわけではない。数の上では真面目にやっている方が多いのである。
で、稲荷山の裏参道。狛犬ならぬ狛カエルである。私は偶然これを見つけたとき、思わず叫びかけた。
「シュールだ!」
一瞬、自分の目を疑ったのである。
え? カエル? 違うよね? 私の見間違い? でもやっぱりカエル?
紛れも無くカエルだと分った時、不気味さと可笑しさがこみ上げてきて、笑って良いものやら悪いやら、しげしげと眺めてしまった。
狛ネズミだの狛イノシシなどは雑誌などにも紹介されて今や定番になったが、狛カエルがメジャーデビューすることはなさそうである。やはり新興宗教の施設だからだろう。
狛カエルが「奥の奥」に位置するとすれば、入り口に鎮座しているのが「金カエル」である。
ベタやなあ〜、と思う。でも、妙にご利益がありそうだから不思議だ。
これを馬鹿馬鹿しいと思うのは自由である。しかしイワシの頭も信心から。真面目に信仰している人がいるなら面白半分に揶揄するのはやめよう。
全ての新興宗教が霊感商法をやっているわけではないし、伝統宗教の中にも生臭坊主はいるのである。伝統宗教だって出来た頃はその当時の新興宗教だったわけですよ。浄土宗も日蓮宗も浄土真宗も鎌倉時代の新興宗教だし、キリスト教も2000年前の新興宗教である。
日蓮さんがお寺に刀や槍を隠しているのがばれて島流しになったり、一向一揆に戦国大名だって悩まされた。みんな結構強かったのである。
お稲荷さんと言えばキツネというのも誰もがすんなり受け入れているが、最初は「えーっ、キツネ?」だったかもしれない。
それで、別に裏参道に触発されたわけではないだろうが、鎮座1300年を誇る伏見稲荷もその正面玄関とも言うべき位置に新作のキツネ像を設置した。
これがまたユニークで、下半身を張り上げている。金のシャチホコでもあるまいに、何でこういうポーズになったのか分らないのだが、ひょっとしたら何か意味があるのかもしれない。
みなさん、伏見稲荷のキツネがユニークなポーズをしているのはユーモラスで、裏参道の新興宗教のカエルは馬鹿馬鹿しいですか?
これから何十年もたてば、狛カエルだって広く認知されて善男善女がお参りに来るかもしれないのである。その時、教祖がふんぞりカエルことなく、民衆の救済のために精進して欲しいものだ。
そういえば、伏見稲荷の新しいキツネ像だってよく見れば反りカエルというポーズではないか。
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ゲスト谷口さんの第一回目のコラムです。
毎週、京都のミステリアスな部分を軽妙に紹介して頂きます。
著者の紹介は下記のページで。
http://kyoto-brand.com/taniguchi.html
【参照リンクには、現在なくなったものがあるかもしれません。順次訂正してまいりますが、ご容赦ください。】
それでも全部が全部胡散臭いわけではない。数の上では真面目にやっている方が多いのである。
で、稲荷山の裏参道。狛犬ならぬ狛カエルである。私は偶然これを見つけたとき、思わず叫びかけた。
「シュールだ!」
一瞬、自分の目を疑ったのである。
え? カエル? 違うよね? 私の見間違い? でもやっぱりカエル?
紛れも無くカエルだと分った時、不気味さと可笑しさがこみ上げてきて、笑って良いものやら悪いやら、しげしげと眺めてしまった。
狛ネズミだの狛イノシシなどは雑誌などにも紹介されて今や定番になったが、狛カエルがメジャーデビューすることはなさそうである。やはり新興宗教の施設だからだろう。
狛カエルが「奥の奥」に位置するとすれば、入り口に鎮座しているのが「金カエル」である。
ベタやなあ〜、と思う。でも、妙にご利益がありそうだから不思議だ。
これを馬鹿馬鹿しいと思うのは自由である。しかしイワシの頭も信心から。真面目に信仰している人がいるなら面白半分に揶揄するのはやめよう。
全ての新興宗教が霊感商法をやっているわけではないし、伝統宗教の中にも生臭坊主はいるのである。伝統宗教だって出来た頃はその当時の新興宗教だったわけですよ。浄土宗も日蓮宗も浄土真宗も鎌倉時代の新興宗教だし、キリスト教も2000年前の新興宗教である。
日蓮さんがお寺に刀や槍を隠しているのがばれて島流しになったり、一向一揆に戦国大名だって悩まされた。みんな結構強かったのである。
お稲荷さんと言えばキツネというのも誰もがすんなり受け入れているが、最初は「えーっ、キツネ?」だったかもしれない。
それで、別に裏参道に触発されたわけではないだろうが、鎮座1300年を誇る伏見稲荷もその正面玄関とも言うべき位置に新作のキツネ像を設置した。
これがまたユニークで、下半身を張り上げている。金のシャチホコでもあるまいに、何でこういうポーズになったのか分らないのだが、ひょっとしたら何か意味があるのかもしれない。
みなさん、伏見稲荷のキツネがユニークなポーズをしているのはユーモラスで、裏参道の新興宗教のカエルは馬鹿馬鹿しいですか?
これから何十年もたてば、狛カエルだって広く認知されて善男善女がお参りに来るかもしれないのである。その時、教祖がふんぞりカエルことなく、民衆の救済のために精進して欲しいものだ。
そういえば、伏見稲荷の新しいキツネ像だってよく見れば反りカエルというポーズではないか。
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